そして、その鯉のぼりが突然、スピードをあげてバルターボに迫る。
灰間「く、来るぞ!!!」
鯉のぼりの口の部分に牙が生え、その口から鳴き声が出た。
鯉のぼり「ガヤアアアァァァァァゴオオオォォォォォォォォ」
その鯉のぼりが牙でバルターボの前のガラスを砕いた。
日下部「きゃあああぁぁぁぁぁっ!!?」
日下部はこれに驚き、
思わずブレーキを踏み、バルターボが止まる。
そして、灰間と日下部は即座に降りて、
宙に舞う鯉のぼりに攻撃する。
灰間「奴は鯉のぼり型の魔獣なんだ!!」
日下部「よくもやったわねェ・・・!!くらいなさい!!」
灰間と日下部はバルガンで鯉のぼりを攻撃する。だが、
鯉のぼりは余裕で避け続ける。
灰間「この野郎!!!」
だが、灰間の放った1発の銃弾が鯉のぼりに命中してしまう。
鯉のぼり「ガヤアアアアァァァァァァァゴオオオオォォォォォォ」
鯉のぼりは攻撃が効いたのか、どこかへと飛び去って行った。
日下部「何なの・・・?あの化け物?」
灰間「わからん。少なくとも、
魔獣である事だけは確かだ・・・。(それに、あの鯉のぼりから、
強大なマイナスエネルギーを発していた。
そうだ。あのマイナスエネルギーを利用すれば、
見つかるかも知れねェ!!)」
BAR基地の司令室に戻った灰間と日下部。
大神「やはり、鯉のぼり型の魔獣が現れたんか・・・・。」
日下部「はい。口に牙が生えて、鳴き声も出していました。
あれはもう、作り物ではなく命を持っている魔獣かと思われます。」
灰間「それに、
あの魔獣からは物凄いマイナスエネルギーを感じました。」
上川「・・・っ!?もしかして、
鯉のぼりはマイネスエネルギーを浴びて、魔獣化したのでは!?」
叶野「マイナスエネルギーで!?また、非現実的な・・・。」
大神「いや、魔獣ならいかなる非現実な事も、
現実にする事もできるじゃろう。
負のエネルギーで魔獣が生まれるのも不思議ではない・・・。
これ以上、恐ろしい事が起きる前に、
あの鯉のぼり魔獣を何とかしなければ・・・・。
・・・そうだ。明日はこどもの日じゃのォ。」
日下部「そうですね。ですが、
私はこのBARを休むつもりはありません。」
灰間「・・・・俺も休みません。
必ず、鯉のぼり魔獣を仕留めるつもりです。」
大神「うむ・・・・。」
甚太郎の家。とても暗くなった甚太郎の部屋では、
甚太郎の前に、鯉のぼりが置いてあった。その鯉のぼりには、
一つだけ穴ができていた。まるで、銃弾に撃たれたかのように。」
甚太郎「そうか・・・。やられちゃったか。でも、良いよね。
これくらいで君は死んじゃいないし。・・・そうだ。
君は生きなきゃいけない。明日、僕を助けるために・・・!」
甚太郎にそう言われた鯉のぼりは、
ゆっくりに宙に浮かび始めた。
そして、口から牙が生え、目が赤く光る。
そう。鯉のぼり魔獣の正体は、甚太郎の鯉のぼりであったのだ。
そして、次の日。ついにこどもの日がやって来た。
徳丸の家の近くに鯉のぼりが3つくらい飾ってあった。
その近くに野口、徳丸、森下がいた。
森下「わーお!!これが、徳丸君の鯉のぼりなんだね!」
野口「素敵だわ・・・。」
徳丸「うん!!凄いだろ!!それに、じゃーん!!」
徳丸は両手に新聞の紙でできた兜を持った。
森下「おおう!!兜だァ!!」
徳丸「かっこ良いでしょ?昨夜、苦労して作ったんだ。
そう言えば、森下さんの方は!?」
森下「私の家にも、鯉のぼりをいーっぱい飾ったよ!
兜は作ってないけどね・・・。」
野口「・・・・でも、残念ね。灰間君がいなくて・・・。」
森下「翔ちゃんには後でゆっくり見せてもらうわ。」
徳丸「そうそう。灰間君だって、きっと見たいしね。」
秋田町を歩く灰間。隊員服を着ているので、
ちゃんとBARの仕事をしている。
その時、灰間のペンダントが光った。
灰間「む・・・っ!?
マイナスエネルギーを察知しただと!?後ろか!?」
灰間は後ろの方を向く。そこに、
鯉のぼりを持っている甚太郎が歩いていた。
灰間(あれは・・・あの時のガキか!?・・・あの鯉のぼりは!)
灰間は甚太郎の持っている鯉のぼりに目をつける。
その鯉のぼりには、穴ができている。
灰間(そうか・・・・!ならば!)
甚太郎は鯉のぼりを持ちながら、笑みを浮かべていた。」
甚太郎「今回は勝ってやる。そして、復讐するんだ・・・!」
だが、甚太郎は気づかない。
後ろから灰間が尾行している事に。
数分後、
甚太郎は古すぎたのか誰も住んでないような家に入った。
その中には、幸雄を始めとした多くの少年たちが、
お菓子やジュースを食べたり飲んだりしていた。
もちろん、
そのお菓子とジュースはほとんど甚太郎が買った物である。
だが、甚太郎は食べていない。食べさせてもらってないのである。
甚太郎「ち・・・・・っ!」
幸雄「うーん!!うめェ!!
やっぱり、カレー味のポテチは最高だ!!
お前も食うか!?甚太郎・・・。」
甚太郎「え!?良いの・・・・?」
幸雄「・・・と言うのは、嘘!お前のようなクズに、
食わせるお菓子なんかあるか!!馬鹿が!!」
少年「そうそう!お前は負け組だから、
それらしい生き方が一番なの!」
少女「あんたなんか、素晴らしい未来なんか来ないわよ!」
幸雄「・・・・そうそう。
その甚太郎の馬鹿の鯉のぼりはどうなのよ!?」
幸雄の友達「おう。立派に撮ったぜ!!」
幸雄の友達は幸雄に写真を見せた。その写真には、
甚太郎の鯉のぼりが飾っているのが写されていた。
それを見た幸雄たちは笑っていた。
まるで、甚太郎を迫害するように。
幸雄「うわっ!だっせ!!よくこんなの飾れるな!?おい!!」
幸雄の友達「傷だらけなのが、まるで甚太郎の心と、
同じであるように見せているな!本当にざまァだぜ。
・・・でも、甚太郎の奴。何でその鯉のぼりを持って来たんだ。」
幸雄たちは甚太郎が鯉のぼりを持っている事に気づく。
幸雄「確かにそうだな。もしかして、
直接、俺らに酷い事をされるためじゃね?」
甚太郎「黙れ。そんな事のためじゃあない・・・!」
幸雄「ん?お前。何かうざく感じたぞ・・・?」
幸雄は少しだけ怒りを見せて、
甚太郎に見せる。すると、甚太郎は笑う。
甚太郎「クククククク・・・・!!これから、君たちに、
今まで見た事のない面白い芸を見せようかと思ってね。」
幸雄の友達「おいおい!
自分から俺らに芸を見せる気か!?」
幸雄「勝手に決めんじゃねェ。お前が行う芸は俺が決める。
お前が最もやりたくない事をお前が芸をする。
昔からそうしたハズだろ?」
甚太郎「いや。正直、やりたくないよ。
お前の出した課題は・・・。これから、
僕が君らに課題を出すよ。最も凄い恐怖と共にねェ・・・・!!」
甚太郎は鯉のぼりを床に置き、こう言う。
甚太郎「目覚めよ!!コイモンス!!!!!」
甚太郎がそう叫ぶと、
鯉のぼりが光り初め、その光が消えると、
足が4本生え、口に牙が生えた。
姿が鯉のぼりそのものだが、
まるで4足型の怪獣のように動いている。
これこそ、鯉のぼり型の魔獣であるコイモンスだ。
つづく
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