甚太郎「・・・・子供の日・・・だよね?」
幸雄の声「正解だ。後二日になれば、
俺らが主役の日だ。そこで!」
甚太郎「・・・・また、僕に命令するんでしょ?」
幸雄『そう。その日には、俺からの使命を3つ行ってもらう。
一つ目は、俺に多くのお菓子とジュースを持ってくる事。』
甚太郎「そんなもん、自分で買えば良いんじゃない?
だって、幸雄君。大金持ちだし。」
幸雄の声『いやいや。自分の金は本当に欲しいと思った物を、
買うためにとっておくんだ。』
甚太郎「だったら、お菓子とジュースは・・・!?」
幸雄の声『お前に質問する権利はない。貧乏のお前にな。
お前は自分の金で世間のために使えば良いんだ。』
甚太郎(お前の欲しい物を買うのが、世間のためかよ・・・!?)
幸雄の声『次。二つ目。お前の家に鯉のぼりを行え。
俺の友達がカメラで撮るって行ったから。
お前だって鯉のぼりくらいはしたいだろう?』
甚太郎「無理だよ・・・。鯉のぼりなんて買ってないし・・・。
自分で作った物しかないし・・・・。」
幸雄の声『それでも良い。必ずのぼらせるように!』
甚太郎「だから無理だって!
お母さんが駄目だって言ってるし・・・。」
幸雄の声『クズが!!母親の命令なんかスルーしろや。
お前の下手くそな鯉のぼりを俺らが見て、
笑ってやるんだよ!ありがたく思え!!
そして、最後!三つ目!!・・・・俺の芸をやってもらう。』
甚太郎「・・・・芸って、今年は危険な事じゃないよね?」
幸雄の声『いや。今年もすげー事をやってもらうさ。
詳細は当時に教えてやるから、期待する事だな。
場所は俺の家。もし、
一つでも命令に背いたら、殺すかも知れないぞ?
はははははははははははは・・・・・!!!』
そして、スマフォが切られ、
甚太郎は怒りのあまり、そのスマフォを投げ捨てる。
甚太郎「どう言う事だ!!お馬鹿野郎!!!!
・・・くそぅ。だから、こどもの日は嫌いなんだよ。
その日になると、
幸雄の野郎が僕に命令をしまくって、お金を奪う。
去年だってそうだった・・・。去年だけではない。
3年前からずっと・・・・!!
奴が僕の家族が貧乏である事を知ってから・・・・!!」
甚太郎の家族は貧乏であり、金が少ないのだ。だから、
欲しい物は買えず、学校でいじめを受けているのだ。
対する幸雄は大金持ちだが、罪のない子供をいじめて、
金を奪ったりと、自分だけが楽しい生活を送っているのだ。
数時間が過ぎると、甚太郎は窓辺から夕日を覗いていた。
甚太郎(僕が貧乏だから、色々と得できない事ばかり、
真っ当な生活なんてできない。・・・大金持ちになりたい。
あの幸雄から大量の金を奪って、勝ち組になりたい・・・!
お母さんや多くの人たちに褒められたい・・・・。
僕は・・・強くなりたい・・・・・!)
その時、甚太郎の鯉のぼりが紫色に光り始めた。
次の日。秋田学園では、徳丸と森下が会話をする。
森下「明日はいよいよ、こどもの日だね!」
徳丸「うん!!その日は何をしようかな。」
灰間「お前たち。もしかして、
自分たちがまだ子供だと思っているのか?」
徳丸「だって、中学生はまだ子供みたいなもんでしょ?
子供は高校を卒業してから、大人になるんだもの。」
野口「確かにそうかも知れないわね。」
徳丸「・・・そうだ!皆。鯉のぼりはある?僕はあるよ!」
森下「私はいーっぱい買って来たわ!!
いっぱい飾るんだから。」
野口「私も買っているよ。灰間君は?」
灰間「いかん。まだ買ってねェや。母さんに頼んでみるかな?」
灰間たちはいつも楽しそうな会話が続いていた。
そして、とある小学校。ここは、秋田小学校である。
5年G組。ここが、甚太郎のクラスである。
甚太郎の隣に、ややブサイクに見える少年がいた。
その少年こそが、幸雄である。
幸雄「おい。甚太郎。例の鯉のぼり飾ったかぃ?」
そして、近くの席にいる少年が甚太郎に話しかける。
この少年は幸雄の友達である。
幸雄の友達「俺、後でカメラで撮るからさ。お前の鯉のぼり。
今年もクズっぽいだろうなァ。ククククク・・・・!!」
甚太郎「撮るが良いさ。きっと、凄いから・・・。けけっ。」
つづく
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