カズーイ「もし、そうだとしたら・・・!
どこへ行けば良いかわからないじゃない!?」
カズーイはそう言って怒る。バンジョーは冷静にこう言う。
バンジョー「わからない。とにかく、適当に歩いてみよう。
そうすれば、何とかなるかも知れないし・・・。」
カズーイ「そうね。じゃ、絶対に何とかしなさいよね?」
バンジョー「うん。わかった。」
こうして、バンジョーは適当な方向へ歩こうとした。その時。
カズーイ「・・・・・っ!!?」
カズーイが急に何か大きな事を感じるように驚く。
バンジョー「どうしたんだ?カズーイ。」
カズーイ「な、何か・・・。凄く寒いのよ・・・・!
う、後ろから何かの感じを受けたみたいだわ・・・。」
バンジョー「え・・・?っ!!!」
バンジョーも何かを感じて驚く。カズーイと一緒だ。
カズーイ「ば、バンジョー!?」
バンジョー「な、何だ・・・!?この震えは。さ、寒さじゃない!?
これは・・・・何かを恐れている感覚だ。後ろに、
何かがいるとでも言うのか・・・・!!?」
バンジョーとカズーイは後ろの方を向く。そして、
その方向から何者かが来る。その者が近づくたびに、
バンジョーとカズーイは恐怖に似た感情に震え続ける。
カズーイ「だ、誰よ!!?あんたは!!!」
カズーイがそう叫ぶと、その者はさらに近づき、
バンジョーとカズーイの前に、その姿が見えるようになる。それは、
あの赤い目を光らせている黒い熊であった。今まで暗躍していた、
黒い熊がついにバンジョーとカズーイの前に現れたのだ。
バンジョーとカズーイ「く、黒い熊・・・・!!?」
バンジョーとカズーイは黒い熊の姿を見て驚愕する。特にバンジョー。
バンジョー「ぼ、僕に・・・似ているだと・・・・!?」
そう。この黒い熊はバンジョーとほぼ同じ姿をしていた。
違う部分があると言ったら、色が黒い。両手の角がとても鋭い。
顔が凶暴。目が赤いと言う事である。バンジョーは、
まるで醜悪な姿となった自分と出会ったような感じであった。
カズーイ「ば、バンジョー・・・!こいつ、あんたの知り合い!?」
バンジョー「し、知らない・・・!僕も初めて見た!」
バンジョーとカズーイは、この黒い熊とは無関係の様子であった。
黒い熊「・・・・似てるな。」
バンジョーとカズーイ「え・・・・・!?」
黒い熊「やはり、貴様は俺と似ている。
ただし、心が全く正反対に見えるけどなァ。」
黒い熊はバンジョーに指をさした言う。
黒い熊「前から世間で、俺様と勘違いされている奴がいると聞いてな。
まあ、俺にとって好都合だから、利用させてもらっているがよ。」
カズーイ「何ですって!!?」
バンジョー「・・・・・・っ!!?ま、まさか・・・・!!」
その時、バンジョーの脳裏に何かが蘇る。それは、
今まで旅で出会った者たちが語ったデスブラザーの事であった。
ガムロ『バンジョーとカズーイ・・・・。いや、デスブラザー!!!』
ボトルズ『かつて、この世界に破壊と殺戮を行った、
伝説の黒い熊です。
謎の鳥と一緒に行動しているとも聞いてますが・・・。』
マンボ『お前ら、デスブラザーと何か共通点を感じる。』
コッパ『熊と鳥!!!貴様たちはデスブラザーだ!!!』
チイト『あの二人から邪悪な気配は感じない。』
白熊A『確かに、デスブラザーは単独だけであったし・・・。』
バンジョー「・・・・まさか!お前が・・・!
お前がデスブラザーか!!?黒い熊!!!」
バンジョーは黒い熊にゆびをさして、そう叫ぶ。すると、
その黒い熊は物凄い邪悪な笑みを浮かべて、こう答える。
黒い熊「正解。俺こそが、この世界に恐怖と混沌と殺戮を齎した、
伝説の黒い熊。デスブラザーだ!!」
バンジョーとカズーイはそれを聞いて、驚く。そう。
この黒い熊こそが、
グランティとは別の悪の存在、デスブラザーである。
デスブラザーはやはり、バンジョーとカズーイの事ではなかったのだ。
そして、バンジョーとカズーイがついに、
そのデスブラザーと遭遇したのだ。
カズーイ「そう・・・・!
今まであたいたちが世間に迫害されそうになったのも、
あんたがデスブラザーだからね!!?
あんたのせいで、あたいたちは・・・・!!」
デスブラザー「俺のせい?違うな。お前らが俺と全く似ているから、
いけないんじゃないか?え?
お前らの技は俺様の技そのものではないか。」
バンジョー「その技で、お前は今まで何をしていた。」
デスブラザー「言ったハズだぞ?
俺はこの世界に恐怖と混沌と殺戮を齎したと。
俺はあらゆる技で邪魔する者も、
罪のない者も病弱な者も生まれたばかりの者も、
他の者たちもみーんな殺したわ。あれは、スッキリした良き思い出だ。」
カズーイ「ふーん。わかったわ。」
デスブラザー「何がわかっただ?おい。」
カズーイ「あんたが世界で一番とってもムカツク奴って事よ!!」
バンジョー「デスブラザー。お前だけは許すワケにはいかない・・・!」
つづく
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