鈴木「良いぞ。福崎・・・!このまま暴れてしまえ。まずは、
多くの住人たちが歯向かえぬように恐怖を与え続けろ。」
大里「魔族の連中も、奴の狂気に恐れを感じるだろう。
幸田。次は魔族に宣言するように喋れ。」
マイクを使っている少年の名は幸田らしい。
幸田「はい。・・・聞こえるか。我らが天敵とされし魔族よ。
汝らは世にいてはならぬ異形の悪魔。その悪魔を、
我は大いなる怒りと共に消し去らん。」
メガホン『お前たち魔族は全て世を去らねばならないのだ。
そして、魔族によって負に溺れ弱者たちよ。我に救いを求めれ。
さすれば、良き幸運が汝らを待とう。』
メガホンが声を出している間に、
ダークティアーズは傍若無人に暴れ回った。
ウルトラマンダークティアーズ「ヴアアァァァン!!ギャアアァァァン!!」
日下部「何が魔族よ!その魔族なんて、この街に一人もいないわよ!!」
バルワンダー1号はレーザーバルカンでダークティアーズを攻撃する。
ウルトラマンダークティアーズ「グアアアァァァァァオ!!!」
だが、ダークティアーズはそのレーザーバルカンを避けてしまう。
鈴木「ふむ。それにしても、BARめ。
どこまでも俺らに歯向かうつもりらしい。」
幸田「・・・ですが、おかしいです。福崎さん。ウルトラマンになってから、
何だか変です。まるで、暴走しているみたいに感じますが・・・。」
鈴木「いや。あの狂気を見せる暴れっぷりが、
負の感情を露わにしている感じ。負の涙の巨人らしくて良いだろう。」
大里「そうだ。ダークティアーズには、あのような暴れっぷりが一番さ。
さァ。幸田。もっと宣言するのだ。ダークティアーズの言葉を。」
幸田「はい・・・。人類よ。我に従え。魔族よ。我に滅ぼされよ。
この世界は我の物となるのだ。我に歯向かう者は一人でも滅ぼさん。」
その時、大神と緒川が入って来た。二人の登場に鈴木たちが怯える。
大神「そこまでじゃぃ!!MADA!!」
鈴木「・・・ひっ!?ば、BAR!!どうして、ここが!!?」
大神「謎の少女が教えてくれたんだ。おどれらの事を。
そして、あのウルトラマンの事を・・・!」
大里「貴様ら・・・!私たちをどうしようと言うのだ!?」
緒川「残念だけど・・・。逮捕するわ。」
鈴木「そんな事はさせない!!幸田!!福崎に助けを求めろ!!」
幸田「は、はい・・・っ!!」
大神「無駄じゃ。あのウルトラマンは真に暴走しちょる。福崎は、
力を制御できなかったんだ。
恐らく、おどれらの声は一切、聞こえない。」
大里「黙れ!!あれこそが、福崎の意思!!
そして、負の涙の意思なんだよ!!
てめーらに何がわかるっつーんだよ!!奴の気持ちが!!そして、
私たちの気持ちが!!私は私の科学で、
ウルトラマンの力で魔族も人間も支配して、
我ら弱者にとって住み良い世界に変える!!
邪魔すんな!!クソ共が!!」
緒川「あなた・・・!自分たちが何をしているのかわかっているの!?
あなたが科学者の中で落ちこぼれだからって、
こんな事をして良いハズないじゃない!!」
大里「落ちこぼれなりにやっただけだ。てめーのような天才と違い、
私はこれくらいの事しかできないんだよ!!どうよ?私の科学は。
素晴らしいだろう。
他のウルトラマンも洗脳する装置もできる。そして、
例え、福崎が暴走しているとしても、
その暴走を止める機械を作ってやんよ!!!」
緒川「見なさいよ!!このウルトラマンの姿を!!!」
緒川は暴れているダークティアーズの姿を大里たちに見せる。
ダークティアーズは残虐に暴走を続けている。もはや魔獣も同然だ。
緒川「福崎と言う子は、ウルトラマンの力を制御できずに、
本当に負に溺れてしまったのよ!?負の感情に支配されたまま、
強大な力を持てば、とても危険な事はわかっているハズでしょ!?」
大里「ふ、福崎・・・・!まさか、本当に暴走を・・・!?」
大神「可哀想じゃき・・・。救いようがなくなってもたわ。
良えか。負の感情は己の身を滅ぼす事もあるんだ。
その結果が、これだ。」
大神はダークティアーズの方を見て、そう言う。
大里「じゃあ・・・。やっぱり、落ちこぼれだったの?
私の科学。やはり、何の役にも立たないって言うの・・・。
私は・・・・。私は・・・・・っ!!」
幸田「・・・うえええええええぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
幸田はいきなり泣き出した。恐らく、何かの後悔を感じたか、
BARに逮捕されるのを恐れているかだろう。
大神「どうすんじゃぃ。鈴木。こうなったのも、お前の責任だぞ。」
鈴木「俺は・・・認めねェ!!あの暴走こそ、
ダークティアーズの本能!!俺にはわかる!!
福崎もわかってくれるハズ!!俺は諦めない!!!
ダークティアーズと一緒に、この馬鹿な世間を変えるんだ!!!」
鈴木はいきなり走って逃げ出した。
大神「おい!!待たんかぃ!!!」
廊下を走る鈴木の前に、複数の警察たちが襲ってくる。
警察「そこまでだ!!MADAのリーダー!!!」
鈴木「う、うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」
その頃、灰間はあのトリオに何度も多くの打撃を受けてため、
血まみれとなった。
灰間「・・・っ!う・・・。っ!?」
灰間は見た。その目線には、あのトリオが倒れているではないか。
灰間「どうしたんだ・・・!?一体・・・。むっ!?」
そして、灰間の目の前には、あの少女がいた。
あの時、灰間を助けてくれた少女が。
灰間「お、お前が・・・!やったのか!?」
少女「ええ・・・。この3人には眠らせてもらったわ。あの3人、
それぞれ他人に迫害されて、辛い過去を持っていた。福崎は、
負の涙。ダークティアーズの力を制御できずに暴走し、
街を破壊している。」
灰間「何・・・だと!?うっ!?」
その時、少女が右手で灰間の顔に触れ、その右手が優しく光る。
その光に包まれた灰間の傷がほとんど消えかける。
灰間「これは、回復魔法・・・。お前、魔族なのか?」
少女「私はプリムロン。地球と共存するために来た。でも、
戦う力はほとんどない。せいぜい、少しだけ回復させるだけ。
そのせいで、他の魔族にいじめられる事もあるけどね・・・。」
灰間「いじめられる事も・・・!?」
プリムロン「そうね。その事で、地球に逃げて、
地球人と仲良くなろうとしたでしょうね。・・・悪いけど、
私にその鎖を外す力を持ってないわ。でも、信じてる。
あなたならこの鎖を壊せる事を。
MADAの皆さんを憎まないであげて。
あの人たちは世間の犠牲者だから。あの人たちは、
不器用で切ない被害者。だから、あんな悲劇を引き起こしたの。」
そして、プリムロンはどこからともなく、
ウルティメイトペンダントを出す。
灰間「これは、俺のペンダント!?どうやって・・・!?」
プリムロン「鈴木と言う男から密かに奪ったの。あの人は、
ダークティアーズを応援するだけで他の事に気づけなかったから。」
そう。警察やBARに、ダークティアーズやMADAの事を、
全て教えたのは、この魔族であるプリムロンであったのだ。
プリムロンは、ペンダントを灰間の胸にかける。
プリムロン「私はこれから、ダークティアーズ。
いえ、福崎を止めに行く。
あの子を負の涙から助けなければいけない。あの大昔の時代、
負の涙を使った一人の男がダークティアーズとなり、
とても幸せな国を次々と滅ぼした。
でも、それは自分の意思ではなく、
負の涙の意思だわ。その負が変身した者を支配したのよ。だから、
あの負の涙をかき消し、その負の支配から彼を助けたいの。」
その時、プリムロンの身体が光り始めた。
その光がゆっくりと巨大化し、
その光が消えると、巨大な魔獣となった。
ピンクに近い色だが、手足が白黒であった。怪獣らしい体型が、
顔には口がなく、目が緑であった。これが、プリムロンの本当の姿だ。
プリムロン「ピイイィィィヨィ!ピイイィィィヨィ」
灰間「ぷ、プリムロン・・・・!」
ウルトラマンダークティアーズ「ギャアアアアァァァァァァ!!!!!!」
ダークティアーズはビルを思い切り投げ飛ばし、遠くにビルを破壊する。
上川「ミサイル発射!!!」
バルワンダーDXが2発のミサイルを発射する。だが。
ウルトラマンダークティアーズ「イ”イイイイィィィィィ!!!」
ダークティアーズはキックでその2発のミサイルを蹴り飛ばした。
叶野「何っ!?」
ウルトラマンダークティアーズ「ジャアアアァァァッ!!!」
ダークティアーズは黒いシューティングスラッシュで、
別のビルを斬る。
多くの戦車も一斉砲撃でダークティアーズを攻撃する。
ウルトラマンダークティアーズ「ギオオオォォォッ!!ギャッ!!」
ダークティアーズはアームシュートで複数の戦車を破壊する。
日下部「まるっきり歯が立たない・・・!このままでは・・・。むっ!?」
その時、プリムロンが現れた。
プリムロンがダークティアーズを止めるために、この街に現れたのだ。
日下部「ま、魔獣だわ!!こんな時に・・・!」
つづく
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