そして、ベッドの上で姉崎は眠っていた。
それを見た大神は不安たらしげに医師に聞いてみる。
大神「先生!どうですか!?容体は・・・!」
大神の質問に医師は暗そうにゆっくりと語る。
医師「・・・・残念ながら、既にご臨終です。」
大神「な、何ですっと・・・・!!?」
大神はそれを聞いて、ショックする。姉崎は、
既に死んでいたのだ。レギュラン星人の光線を浴びた時点で。
エクシードファウストによって基地を破壊されて、
大怪我をしてしまった姉崎は、
もはや瀕死に重傷に近い状態にあった。それを、
宇宙人の光線による激しい苦痛を受けて、死んでしまったのだ。
日下部「そんな・・・!姉崎さんが・・・・・・っ!!」
大神「姉崎・・・!姉崎・・・・っ!!」
大神は死んでしまった姉崎の右腕を掴み、
涙を流す。友が死んで、とても悲しんでいるのだ。
日下部「た、隊長・・・・・っ。」
大神「うう・・・・!く・・・・っ。」
大神は泣いていた。かけがえのない友人が、
帰らぬ人となったのだ。日下部も涙目になりながら、
病室からゆっくりと出た。悲しみにくれた大神をそっとしようと。
BAR基地の司令室では、叶野、上川、日下部がいた。
叶野「今回は都合により、私が隊長代理を務める。」
上川「大神隊長は友達だった姉崎さんを失って、
悲しみにくれてますからね。
指揮できる状態じゃなくなったかも・・・。」
上川が暗そうにそう言うと、日下部が怒りだす。
日下部「そんな軽い事を口に出さないでください!」
上川「ご、ごめん・・・。それより、灰間君はどうしたの?
何だか、いない感じがするけど・・・・。」
叶野「灰間隊員なら今、自宅で休んでいる。
魔獣たちとの争いに、
巻き込まれて怪我をしていたらしい。」
日下部「とにかく、ここは3人で何とかするしかないわね・・・!」
叶野「そうだ。たった今、警備班から、
ポイント97-Sでアーストロンと魔獣グルトニングが、
抗争しているとの情報が入った。
俺たちはバルワンダー2号で出撃する!」
上川&日下部「了解!!!!!」
夜の遊園地で、アーストロンとグルトニングが喧嘩していた。
アーストロン「ガアアアアアァァァァァオゥ」
グルトニング「ゴォアアアアアァァァァァァァ!!!」
怪獣と魔獣は互いを殴ったり蹴ったりで打ち合いをしていた。
この遊園地には人間は一人もいない。
だが、魔族どもはいない。
灰間が目撃した複数の人間に化けていた魔族たちだった。
魔族A「行け!!グルトニング!!怪獣などぶっ殺せ!!」
魔族B「・・・・むっ!?バルワンダーだ!!」
空からバルワンダー2号が飛んで来た。
搭乗しているのは、
叶野、上川、日下部であった。日下部が運転を行っている。
上川「怪獣と魔獣だ!!」 日下部「接近します!!」
アーストロンが角でグルトニングを突く。
グルトニング「ゴォアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!」
だが、魔獣はそれに負けず、アーストロンを思い切り殴る。
アーストロン「ガアアアアァァァァァオゥ!ガアアァァァァオゥ」
打撃を受けたアーストロンはさがり、口から火炎を発射した。
火炎を浴びたグルトニングは少しだけさがり、
両目からレーザーを発射。
それを受けたアーストロンは物凄いダメージで倒れる。
アーストロン「ガアアアアァァァァァァオゥ」
グルトニング「ゴォアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!」
グルトニングは口から溶解ガスを吐き、倒れた怪獣に迫る。
アーストロン「ガアアアァァァァオゥ!ガアアアアアァァァァァオゥ」
溶解ガスに覆われたアーストロンの身体が少しずつ溶けていく。
日下部「あっ!!怪獣が溶けていく!!」
そして、溶解ガスを吐き終えたグルトニングは、
アーストロンがまるで液体のように完全に溶けたところに見る。
グルトニング「ゴォアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!」
魔獣は勝利の雄叫びを上げて、消えて行った。
叶野「畜生・・・・!逃げやがったか!!」
上川「魔族め!僕らには眼中にないんだ!!」
こうして、怪獣アーストロンは死んでしまった。
グルトニングはそれに喜び、去って行った。
バルターボを運転して町を移動している大神は、
シーバーで叶野からの連絡を受けていた。
大神「そうかぃ。怪獣が魔獣を倒したか・・・。」
叶野の声『はい。魔獣は現在、どこにいるかわかりません。
一生懸命、探索しておりますが・・・。』
大神「そうか。少しお願いして良えか?
自宅で休んでいる灰間に、悪かったと言ってくれんかの?
わしは灰間の言った事を信じる事はできんかった。
そのせいで、
姉崎は死んでしまったんじゃ。灰間の、
姉崎は宇宙人に憑依されたと言う発言は本当だった。
だから、灰間に伝えてくれ。
疑ってすまなかったとのォ・・・。」
叶野の声『わかりました。伝えておきます。』
それから、叶野の声は聞こえなくなった。
大神「・・・・・・姉崎。むっ!?」
その時、走るバルターボの前に、
等身大のレギュラン星人が現れる。
つづく
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