コリス「それが・・・・君の夢?」
亡霊少女『夢・・・・?』
コリス「うん。この世の中で最も必要すべき、
人間として一番大切な事さ。夢さえあれば、きっと幸せになれる。
でも、その夢を信じる人が今でも少なくなっている・・・。」
亡霊少女『夢・・・・。戦争時代以来、久しぶりに聞く言葉だわ。
でも・・・その夢はもうとっくに・・・。』
コリス「戦争で全てなくなった・・・・でしょ?でも、
僕はそう思わない!夢を信じる人たちは必ずいる!!
僕たちDGCはその人たちのために戦っているんだ!!」
亡霊少女『そう・・・。軍人の中でも、そんな事をする人がいるのね。
普通ならそれを信じずに、私達を玩具のように扱って殺していたのに・・・。』
コリス「え・・・・・?」
亡霊少女『ほとんどの腐生人間は皆、戦争を行う大人たちに襲われ、
ある人は実験台とされ、ある人は無意味な虐殺を受け、
ある人は奴隷として生を失ったわ・・・。その人たちは、
そんな夢のない現実に怒って、今の腐生人間となっていたわ。』
この亡霊の少女や腐生人間たちは、かつての戦争で、
大人たちの欲望によって虐殺を受けて死んで行ったのだ。
その彼らはそんな戦争を生んだ世の中を恨んでいたのだ。
コリス「そうなのか・・・。やっぱり、戦争って恐ろしいんだね・・・。」
亡霊少女『そう・・・。戦争は人を不幸にする。
腐生人間たちの目的は、この世の戦争を全てなくすべく、
軍人とその関連者全てを抹殺するつもりよ。仕返しするみたいに・・・!
まあ。別の殺され方をした人は、殺した人への復讐をする事もあるけど。』
コリス「・・・・話はわかった。とりあえず、DGCに戻る!
腐生人間たちは必ず止めてみせる!!」
そして、コリスは走り去り、亡霊少女は微笑みで見送り、消えて行った。
次の日。DGC基地の司令室に隊員たちが集まる。
イチゴ「僕が遭遇した腐生人間たちはほとんど、人殺しをしていました。
そして、何故か僕を見て、一斉に襲い掛かって来たんです。」
テブリッシュ「私やシュドーが倒した奴らも、まるで軍人を憎んでいるかのように、
我々に牙を向いて来ました。とてつもない怒りでした。」
シュドー「あいつら・・・!俺たちが何したっつんだ・・・・!!」
モモ「そうねェ・・・・。別に私達は人殺しはしていないんだけど・・・。」
コリス「その通りです。悪いのは戦争をしていた人たちなのですから・・・!」
コリスの発言に、隊員たちは彼の方を向く。
モモ「コリス・・・。何か情報を得たの?」
コリス「ええ・・・。彼ら腐生人間たちは戦争時代で、
軍人たちに殺されて、彼らに復讐しようと僕らに攻めて来たんです。」
シュドー「俺たちがそいつらの代わりだってのか!?八つ当たりかよ・・・!」
シュドーは腐生人間たちのやる事に怒る。テブリッシュが冷静にコリスに問う。
テブリッシュ「コリス。その情報は誰から聞いたんだ?」
コリス「それは・・・・幽霊の女の子でした。」
イチゴ「ゆ・・・幽霊・・・・!?;」 イチゴは何故か急に怯え出す。
サキ「どうしたんですか?イチゴさん・・・。」
イチゴ「ご・・・ごめん。僕、昔から幽霊とかのお化けが苦手で・・・;」
シュドー「おいおい・・・。」 サキ「あはははは・・・・^^;」
テブリッシュ「・・・・して、その幽霊が何故、お前に話しかけたんだ?」
コリス「・・・僕にもわかりませんが、何故か彼女は僕を選んだのです。」
テブリッシュ「選んだ・・・?それだけか・・・・?」
コリス「は・・・はい・・・・。たぶん、僕は霊感が強いのかと・・・。」
いや、コリスに霊感はない。コリスは夢の国の住人なので、
幽霊の気配を感じる事など簡単であるのだ。
それを知られたくないため、あえて嘘ついたのだ。
イチゴ「・・・・そんな怖い事は置いといて・・・。そろそろ来るね。」
モモ「ええ・・・。あいつが・・・・!」 隊員たちはドアに向かって、険しい表情をする。
そのドアが開き、そこからザラが出てきた。
ザラ「昨日の腐生人間たちの退治はご苦労・・・・と言いたいところだが、
残りの奴等がいて、そいつらが軍の施設を襲撃したそうだ。」
シュドー(ちっ!また何か言いたいのかよ・・・このクソ野郎が・・・!)
ザラ「奴等腐って生きもがく人間共はどう言うワケか、
軍人や警察、科学者にマフィア、超一流エリート、お金持ち、
裏社会の人々までも襲っているそうだ。
彼らはとても素晴らしい人たちだと言うのに。」
コリス「・・・・腐生人間たちの目的は、戦争を行った人たちへの復讐なんです。
彼らは戦争で死んだ不幸な人たちなんです。
彼らは助ける権利があると思います・・・。」
ザラ「助ける?君はその人たちを初めとするクズに等しい奴等を守るのかね?」
コリス「クズ・・・・・!!?」 コリスはザラの残酷な言葉に嫌気がさす。
ザラ「そう。貧乏人だの日系人だの無職だの・・・。ましてや、
戦争で悲しむ人たち、いじめを受ける人たち、障害者、そして犯罪者たち。
彼らはこの世にとって最大のゴミであると言う事だ。」
シュドー「・・・・っ!てめェ!!いい加減にしとけよ!!?」
シュドーはキレて、ザラに近づく。テブリッシュもテーブルを叩いて怒鳴る。
テブリッシュ「そうだ!!彼らだって人間だ!!
生きなければならない存在なんだ!!」
ザラ「それがどうした?
人は欲望を持って強者となる人だ。弱者はそれに従うだけ。
それができないなら死んだ方が良い。
どこかの科学者を見捨てた誰かのようにね。」
サキ「・・・・・・っ!!」 サキはそれは自分ではないかと思い、怯え出す。
コリス「そんな・・・!サキさんはもうコリーム博士と和解して・・・!!」
モモ「ザラ・・・!あんたって人はああぁぁぁ・・・・・!!!」
モモは我慢できないか、ザラに殴りかかろうとした。
ザラ「良いのか?」 モモ「・・・・っ!?」
ザラの言葉でモモを急に殴るのを止める。
ザラ「私は君たちDGCを解散される権利を持っているよ。」
モモ「く・・・・っ!!」 イチゴ「卑怯な・・・・!!」
ザラ「もし、今でも戦争が行われていたら、
我々の部隊は喜んで戦い、拉致した敵国の住人たちを玩具扱うして、
虐殺するだろう。君たちは弱いから、すぐに負けて死ぬだろうけど・・・。」
コリス(ザラ隊長・・・・!許せない・・・・!!)
ナイトメアナーサの王宮では、シャドーとゴダルがスクリーンで、
隊員たちとザラのやりとりを見ていた。シャドーはそれを見て笑う。
シャドー「あはははははははは!!!見てよ、ゴダル。
これが人間よ。汚さ、欲望、悪意、非常。それが人間の本性よ!!
こいつらのせいで夢の国は宇宙へ消えたのに、哀れねェ。モモ。
夢を無視して自分勝手に生きる人間たちをまだ信じるなんて・・・。
いっそ、腐生人間たちに襲われれば良いものの。」
ゴダル「その腐生人間たちは僕たちの手下じゃないんだけどな。
何せ、奴等はほとんど憎しみの力で死んだ、
当時の身体で動いているからな。」
シャドー「ええ。その腐生人間ども。ちょっと厄介だからね。どうしましょ?」
ゴダル「僕に聞くな。・・・だが、
このまま奴等を放っておくワケにもいけないしな・・・。」
ゴダルは何かを企むように険しい表情をする・・・。
ザラ「・・・・どうやら、君たちは戦いに向いてないようだな。」
モモ「戦いなんか、こっちから願い下げよ。」
イチゴ「僕らは戦ってるワケじゃなく、世界の平和を守っているだけ。」
イチゴは冷静に言い、サキは悲しげな表情で切なくこう言う。
サキ「ザラ隊長・・・・。あなたは間違っています。
ただ欲望のために戦うなんて、悪の犯罪者や侵略者と同じです。
あなたは過去に・・・・何があったのですか?」
ザラ「別に?ただ、普通に学校に行って普通に友達と遊んで、
普通に家族と暮らして、幸せな生活を送ったけど?
辛い過去なんて少ないもんだよ。君とは偉い違いだよ。君とはね・・・・。」
サキ「・・・・普通に幸せでしたら、そんな事は言わないハズです・・・。」
確かに、幸せな時間を多く経験した者は優しくなれるが、
その一人であるザラにはそれがない。いや、現実ではこれが当たり前なのか。
コリス「この人の言う通りです!幸せな人だったら、
どうして不幸な人たちに思いやりを見せてあげるべきだと思います!」
ザラ「君・・・。冷静になって物を言えよ。第一、子供もいるとは、
どうりでガキ臭い組織だと思ったよ。戦力もメカも中二病臭いし・・・。」
シュドー「ああ。悪かったなァ。中二病で・・・・!」
テブリッシュ「あまり、我々をなめてもらっては困るのだが・・・?」
コリス「あなたたちも軍人であるなら、弱い人たちを救う事を考えてください。」
イチゴ「あなたは人を差別しすぎだよ。人間は皆、助け合って、
一緒に生きていける平等のハズなのにね・・・。」
モモ「・・・・・と、言うワケで。幸せは他人にも分けてあげる物よ。
特に弱者たちにはね。私達はいつも、そうして来たわ・・・。
恵まれない人たちに夢と希望、幸せをあげる。それが私達の使命です。」
つづく
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