光次郎「・・・・うん。その友達を殺すなんて、僕にはとてもできない・・・・。」
桜「そうね・・・・。私もできないよ・・・真奈美ちゃんを殺すなんて・・・・!
けど・・・・・今の真奈美ちゃんは変わってしまっている。
あんなの・・・・真奈美ちゃんなんかじゃない・・・・!」
光次郎「さ・・・桜ちゃん・・・・・??」
そして、桜は光次郎に抱きつき、涙を流して、彼にこう叫ぶ。
真奈美「お願い!!光次郎君!!!真奈美ちゃんを殺して!!!!」
光次郎「な・・・何を言ってるんだ・・・!?桜ちゃん・・・・??」
真奈美「本当はこんな事言いたくない・・・!でも!!
真奈美ちゃんはもう死んだ・・・!
あんな真奈美ちゃんなんて、真奈美ちゃんじゃない!!!
あんなの・・・・あんなの・・・・!!ううぅぅぅ・・・・・っ!!!」
桜は悲しかったのだ。真奈美がジャンボロイドになってしまった事が・・・・。
本当は再会できて嬉しかったのだ。しかし、性格が変わってしまったのと、
人間に戻れない事で、せっかく会えた喜びが踏み躙れた事で悲しんだのだ。
光次郎もそれを知って、自身も同じ気持ちである事を知った・・・・。
光次郎「・・・・確かに、あんな酷い事をするなんて、真奈美ちゃんじゃない・・・・。」
桜「・・・・それからね、光次郎君・・・・。」
光次郎「・・・・・ん?何だぃ?」
桜は涙を拭いて、こう聞いた。
桜「私には・・・・お姉さんがいたの・・・。」
光次郎「知ってるよ。君の姉はもう・・・いなくなったよね・・・・。」
桜「けど、私の姉さんは生きていた・・・・・。
・・・・・・あなたのメイド・あかりさんにして、マリオネットライターとして。」
光次郎「え・・・・・?僕のメイドが君のお姉さん・・・?はっ!!」
その時、光次郎はティアーズのある言葉を思い出す。
ティアーズ・ソウル(そう。あなた(あかり)はねェ・・・・。
デスナイト日本支部の奴隷兵・月野夫婦の子・月野明理。)
光次郎「・・・・・っ!月野明里。それが、桜ちゃんの姉さんの名前・・・。」
桜「ええ・・・。私は姉の行方を捜すためにも、デスナイトと戦ってきた・・・。
その姉が・・・・既に死んでいて、ジャンボロイドになっていたなんて・・・・っ!
しかも、光次郎君のメイドにもなって・・・・・!」
桜はまた泣きそうになる。
光次郎「さ・・・・桜ちゃん・・・・。ごめん・・・。」
桜「っ!な、何で謝るの?私、光次郎君を責めてないよ・・・。」
光次郎「それでも・・・・。なんか、僕が迷惑かけた気がして・・・・。」
桜「それでも良いわ・・・・。悪いのは全部、デスナイトなんだから・・・。
・・・・・ねえ。光次郎君。」
光次郎「・・・・・何だ?」
桜「・・・・・あかりさん・・・・いえ、姉さんに会わせて・・・・。」
光次郎「・・・・うん。けど、あかりさん・・・桜ちゃんが、
自分の妹である事がわかるだろうか・・・・。」
桜「わからせてみせるわ・・・。そして、姉妹の絆を取り戻す・・・・。」
桜はさっきまで泣きそうな表情から、決意に満ちた表情になっていた。
光次郎「桜ちゃん・・・・。(よし。僕もやってみよう。
もし、本当にあかりさんが桜ちゃんの姉さんであったのなら・・・・・!)
真奈美の声「残念だけど、あかりさんは人間の時の記憶は全く消されているわ。」
光次郎&桜「っ!!!??」 二人は真奈美の声が聞こえたのを感じる。
そして、後ろの方に真奈美がいた。既に二人の近くにいたのか。
光次郎&桜「真奈美ちゃん!!!」
真奈美「ま。私はちゃんと知ってるけどね。私が人間だった頃の記憶を・・・。」
光次郎「では、デスナイトを恨む気持ちも・・・っ!!」
真奈美「はて・・・?私は彼らに助けられたって言ってたよね・・・・??」
光次郎(まさか・・・・記憶をいじられたのでは・・・・・!?)
そして、桜は真奈美に近づこうと走る。
桜「真奈美ちゃあああぁぁぁぁぁぁん!!!!」 光次郎「ま、待て!!桜ちゃん!!!」
そして、桜は真奈美を抱きついた。桜は真奈美と再会できた事が本当に嬉しいのだ。
桜「・・・・・・っ!!この温もり・・・やっぱり真奈美ちゃんだ・・・・。」
桜は真奈美を抱いて、涙を流す。真奈美はそんな桜に冷酷な声で話す。
真奈美「・・・・・ごめん。桜ちゃん。」 桜「きゃっ!!?」
真奈美は桜をいきなり突き飛ばす。
本来の真奈美は桜や光次郎に暴力を振るわないハズだ。
光次郎「桜ちゃん!!!」 光次郎は倒れた桜を抱える。
真奈美「私・・・・。あなたも許せないの。あなたも光次郎君が好きだから・・・・。」
桜「・・・・・っ!温もりと姿は真奈美ちゃんそのものだけど・・・・。
心と中身は真奈美ちゃんじゃない!!汚い手を使うジャンボロイドよ!!」
真奈美「・・・・酷い事言うのね。私は私なのに・・・。」
光次郎「真奈美ちゃん!!君が僕を愛しているなら、こんな事は断じてしないハズだ!!!」
真奈美「ちゃんと愛しているわ。ただ、
あなたには他の女の子と浮気して欲しくないだけなの・・・・。だからね。
私、女の子がいっぱいいる第6分隊基地を攻撃しようと思うの^^」
光次郎「ぼ・・・僕の仲間たちを・・・・・!!」
桜「そんな事・・・・やめて・・・・っ!!」
真奈美「そうはいかないわ。それがデスナイトからの指令なんだ。
けどね。光次郎君。あなただけは生かしてあげるわ。」
光次郎「僕一人だけ生きてて・・・どんな未来があるんだ!?」
真奈美「安心して。私がちゃーんと面倒見てあげるわ。あなただけは、
一生私が側にして幸せにしてあげるわ。ずっとずっと・・・・・。」
真奈美は笑みを浮かべて、歩く。まるで光次郎に近づく・・・。
あかりの声「そんな事で、光次郎さんが幸せになれるワケではありません!!」
光次郎、桜、真奈美「っ!!!!?」 3人はあかりの声を聞き、右の方向へ向く。
そこには、復活したあかりがいた。あかりの修理は成功に終ったのだ。
光次郎「あ、あかりさん!!!」 桜「お姉さん!!!」
真奈美「あら。生きてたんだ。あかりさん・・・。」
あかり「光次郎は独りぼっちに戻る事など望みません。
彼の願いは多くの友達と一緒に、幸せな日々を送る事なんです!!!
そんな光次郎さんの気持ちをわからないあなたに、
光次郎さんに近づく刺客はありません!!」
光次郎「あかりさん!!元気になったんだね・・・・っ!!」
あかり「すみません。遅くなってしまわれて・・・・。ですが、安心してください。
高町博士は私を修理した上に、機能もより強力に改良してくださいました。」
光次郎「そうなのか・・・・。」 桜「お姉さん!!!!」
あかり「きゃっ!??」 あかりはいきなり桜に抱きつかれて、驚く。
桜「お姉さん・・・・!あなたはお姉さんだよね・・・!?」
桜は涙しながら、あかりにそう聞く。
あかり「お姉さん・・・・。っ!!!」 そして、あかりの脳裏にまたあのヴィジョンが・・・。
幼稚園で泣き叫ぶ男の子。
積み木で遊んでいる女の子。この二人の姿を見るあかり・・・・。
あかり「・・・・そうだわ。思い出したわ!!」 光次郎&桜「え・・・・??」
そう。あかりはついにあの二人が誰なのか気づいたのだ。
あかり「幼稚園の前で泣き叫んでいた男の子は・・・・やっぱり、光次郎さん!」
光次郎「え・・・・?それはもう前回で聞いたんだけど・・・・?」
あかり「そして・・・・積み木で遊んでいる女の子は・・・・・。
桜!!私の妹の桜!!!幼い頃、一緒に積み木で遊んだ・・・・。」
桜「お姉ちゃん・・・・。やっぱり、お姉ちゃんだったのね!!」
あかり「ええ。やっと思い出したわ。人間であった頃の記憶を・・・・!
ごめんね。桜。今まで離れ離れしていて・・・。妹を捨ててしまった姉なんて・・・・。」
あかりはついに人間の頃の記憶を思い出した。そう。あかりはやはり、
元人間であり、桜の姉であったのだ。今、
あかりは妹の桜をほったらかしにしてしまったと思って、辛い気持ちなのだ。
桜「・・・・ううん。たとえ、離れ離れでも、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだもん・・・・。」
あかり「ごめんね・・・・ごめんね!桜っ!!」
桜「お姉ちゃん・・・・っ!!」 二人は姉妹としての再会を果たし、抱き合って涙する。
光次郎「二人の姉妹か・・・・。引き裂かれた二人がとうとう再会したワケか・・・。」
真奈美「さて・・・・。感動の再会はもういいかしら?桜ちゃんのお姉さん。」
あかり「っ!!真奈美さん・・・・!」
そこに、神山副隊長が駆けつける。あかりと桜は少し離れる。
神山副隊長「ティアーズソウル!!ここまで来たのか・・・・!!」
光次郎「おお!神山副隊長!!」
真奈美「くす・・・・っ。どうやら、早めに実行するしかないわね・・・・。
あかりさん。それから、光次郎君。そろそろ決着をつけましょ・・・・。」
真奈美は光と共に消えていった。
あかり「消えていったわ・・・・。」 神山副隊長「きっと、どこかへ行くのだろう・・・。」
光次郎「きっと、彼女は第6分隊基地へ向かっている途中なんです!!」
桜「彼女がそう言ったんです!!!」
神山副隊長「第6分隊基地だと!?すぐに、日向隊長に報告しなければ・・・!!」
神山副隊長は日向隊長に知らせようと、司令室へと走った。
光次郎「僕たちもすぐに行かなきゃ・・・・っ!」
桜「でも・・・もし、真奈美ちゃんが先に来て、基地を襲ったら・・・・!!」
あかり「大丈夫よ。あなたの仲間たちは絶対に死なないわ。」
あかりが優しく桜の両肩に手を置き、彼女の言葉を聞いた桜は落ち着く。
桜「お姉ちゃん・・・・。そうだよね。お姉ちゃんが守ってくれるもんね・・・。」
あかり「うん。必ず守ってあげるわ。もう・・・あの時のようにはいかない・・・・。」
あかりの言うあの時とは、デスナイトに襲われて、妹の桜を守る事ができなかったと言う。
光次郎「あかりさん・・・・。」 あかり「っ!光次郎さん・・・。」
光次郎は右手に持つ赤い矢・アンチフラッシュアローをあかりに見せる。
光次郎「これでティアーズを倒す事はできる・・・・。けど・・・・っ!」
光次郎にはできなかった。たとえ、ジャンボロイドでも愛人である、
真奈美を自身の手で殺す事など・・・。あかりは優しい笑みで彼の右手を両手で触れる。
あかり「・・・・・殺したくなければ、それでも良いです。安心してください。
私も彼女を殺さずに止めてみせますから・・・。桜も、もう一度真奈美に会いたかったでしょ?」
光次郎「あかりさん・・・・。」
桜「お姉ちゃん・・・・。」
光次郎「・・・・・行こう!!第6分隊基地へ!!!」
夕日の街。そして、第6分隊基地の前に、真奈美が歩いていた。
真奈美「・・・・ここを破壊すれば、SSPの戦力も半減する・・・!叩くなら今!!っ!?」
その時、真奈美の前に光次郎、桜、あかりの3人が立ちはだかって来た。
光次郎「・・・・・真奈美ちゃん・・・・・・!」
真奈美「・・・・やはり、来たわね。」
あかり「・・・・・真奈美さん。あなたは騙されています。デスナイトに。」
真奈美「だからどうしたの?」
あかり「あなたも光次郎さんが好きなら、デスナイトをやめてください!!
そして、私と一緒にデスナイトから悪魔たちと戦いましょう!!!」
あかりは真奈美に手を差し伸べる。だが、真奈美はその手には乗らない。
真奈美「・・・・悪いけど、私はデスナイトのために尽くしているの。
あなたたちの味方にさらさらなる気はないわ。」
光次郎「たとえ、裏切り者扱いされて命を狙われても、僕が助ける!!
だから、デスナイトをやめて、僕たちの友達に戻ってくれ!!!」
真奈美「あるがとう。けど、デスナイトはやめないわ。
私はデスナイトの誇りのために、あかりさん・・・。あなたを倒す。」
あかり「真奈美さん・・・・・・っ!」 そこに、基地から春日たちが出て来る。
恐らく窓から見て、急いで駆けつけた。青井たちレギュラー隊員たちもいる。
青井「この人が高町隊員と月野先輩の友達・・・・!」
春日「そして、ティアーズの人間体・・・・!!」
真奈美「今こそ決着をつけましょ・・・!どちらが最強のジャンボロイドか!!!」
つづく
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