そう。この黒いヘルメットの男こそが、アルザンであった。
アルザン「はっ。この私めの手にかかれば、1日50人は簡単にございます。」
桐原「随分と自信がありすぎるようだな。だが、SSPどもに、
てこずっているとの報告もあったが?」
アルザン「彼奴等SSPは恐ろしい程の戦力を持っているでしょう。それに、
もし、我が部隊がSSPにより、全滅に追いやられし時は、
我がモンスロイドのマッドネス・アシッダーを出撃させましょう。」
桐原「全滅に追いやられし時・・・・か。まるで、最終兵器のように言うのだな。」
アルザン「クククク・・・・!そう。切り札は最後までとって置く・・・・。
それが、我がブラジル支部のやり方でしてねェ。」
桐原「そのやり方も悪くないが、今お前が所属しているのはこの対日本攻撃支部だぞ。
この支部にいる限り、俺の命令には必ず従ってもらうからな。」
アルザン「承知しております。」
桐原「よいか。さっきも聞いたから知っているが、今回の任務は、
我がデスナイトに相応しい人材と奴隷どもを集める事である。近々、
SSPとライターどもによって、我が支部のメンバーがことごとく失っている。
このまま行けば、この支部のメンバーは少数のみとなり、
戦力もさぞ縮小していくだろう。SSPの一斉攻撃を受け、壊滅するのも時間の問題だろう。
そこで、アルザンよ。お前の人狩りのプロとしての力を見込み、この任務に任せたのだ。」
アルザン「はっ。仰せのままに、桐原支部長。」
桐原「では、少しの時間の間に休むがいい。戦力も整えておけ。」
アルザン「はっ・・・・。」 こうして、アルザンはメインルームから出た。
桐原「・・・・そうだ。ここでこの支部を終らせるワケにはいかん・・・・。
もっと増やすんだ・・・戦力を・・・・。そして、SSPに逆転勝利して、
この日本を我が物にしてやる・・・っ!!俺を見捨てた奴等を・・・・。
許せぬ愚民どもに復讐するために・・・・・!」
ところで、いつもなら桐原の隣にいるダークネスセイバーだが、
今回は何故かいないらしい。一体、何故だ?
ダークネス・セイバーは今、とある部屋にいた。それはとても暗い部屋で、
そこには、何故か多くのおもちゃや絵本が散らかっていた。
ダークネスはそれを見て、何故か切なそうに思った。
ダークネス・セイバー「・・・・零さん・・・・・。」
ダークネスは静かで切なそうな声で小さく呟いた。
SSPの第6分隊の司令室では、光次郎たちが戻っていた。
桜「・・・・と、言うワケです。」 桜は今回の任務で、
ブラックアタッカーたちが高志少年の姉・里美を拉致した事を報告していた。
春日「そう・・・。一人の身寄りなき子が一人ぼっちに・・・・。
これは、誰かが保護してあげる必要があるわね・・・・。」
光次郎「・・・よし!ここはあかりさんに任せましょう!!
あかりさんはいつも僕の家で家事をしていますから、高志君も安心できると思います。」
桜「・・・そうだよね。あかりさんなら・・・・。隊長!ここは高町隊員のメイドさんに・・・・!」
春日「その方がいいわね。高町隊員。さっそくあなたのメイドさんに電話して。」
光次郎「はい!!」 青井「・・・・・っ!デスナイトめ・・・・!!」
光次郎が電話しに行くのと同じく、青井が里美をさらったデスナイトを憎んでいた。
桜(奈々ちゃん・・・・・。) 桜はそんな青井を心配そうに見ていた・・・・。
春日「青井隊員。デスナイトは確かに我々の敵・・・・。けど、
憎しみにとらわれてはいけないわ。保つのよ。正義の心を・・・・!」
青井「・・・・・っ。はい・・・・。」
こうして、光次郎からの電話を受けたあかりは高町邸の玄関で、
光次郎と桜と青井に連れてこられて来た高志を迎え入れた。
光次郎「・・・・と、言うワケでこの子を頼むよ。あかりさん。」
あかり「はい。よろしくね。高志君。」 高志「よ・・・よろしくお願いします。」
桜「私たちが絶対、里美さんを助けるから。それまで、
このメイドのお姉さんに面倒を見てもらうのよ。」
高志「うん。わかった。絶対、お姉ちゃんを助けてくれるよね?」
青井「・・・・ええ。必ず助けてあげるわ。これ以上、あなたを悲しませはしない。
子供たちを・・・・・私のような悲劇を生ますワケにはいかない・・・・・っ!!」
高志「・・・・お姉ちゃん・・・・・??」 高志は切ない表情の青井を見て、心配する。
青井「・・・大丈夫。絶対、救ってみせるから。」
高志「・・・・うん!!」 青井が笑顔でそう言うと、高志も笑顔で返事した。
桜「・・・・と言うワケでお願いします。」 光次郎「では、僕らはまた仕事に戻るので・・・・。」
あかり「いってらっしゃいませ。さァ。和室へ行きましょう。お菓子を置いて来ましたから?」
高志「わーい!行く行くゥ!!」 高志は喜んであかりについていき、和室へと入った。
かくして、和室で高志がこたつの前に座って、イチゴショートケーキを食べていた。
高志「もぐもぐ・・・・。もぐもぐ・・・・。」
あかし「おいしいですか?高志君。」
高志「うん!美味しいw」
あかり「よかった。他に欲しい食べ物があったら言ってください。買ってあげますよ。」
ケーキを食べた後、すでにオレンジジュースを飲んでいた高志はそれを聞いて、こう言った。
高志「・・・う~ん。じゃあね。チョコレートとキャンディー・・・・。それとね、
ソーダアイスやコーラが頂戴!」
あかり「はい。では、それを買いに行きます。」
あかりは高志の欲しいお菓子を買いに行こうと、家から出た。
そして、少しの時間がたち、あかりは多くのお菓子を詰め込んだ買い物袋を持って、
家へ帰り、和室のこたつにチョコを初めとする複数のお菓子を置いた。
チョコレートとキャンディー、ソーダアイスにコーラまで。全て高志の欲しい物であった。
あかり「買って来ましたよ^^」 高志「わーい!ありがとう。いっただっきまーす!」
高志は喜んで、まずキャンディーをペロペロとなめた。
あかり「・・・くす。」 あかりは元気そうにお菓子を食べる高志を見て、微笑む。
まるで、幸せそうな子供の姿を暖かく見守る姉のように・・・・。
ペロペロキャンディーをなめ終った高志はすぐにチョコレートを食べる。
キャンディーと同じくチョコを食べている時も美味しく幸せそうに食べていた。
しかし、半分まで食べると、高志は急に食べるのを止めて、寂しそうに息をしてこう言う。
高志「・・・・はぁ。姉ちゃん・・・・。」
あかり「・・・・美里さんの事が好きなんですね・・・・。」
高志「うん。だって、たった一人で僕を守ってくれたもん。でも・・・・・。」
高志は美里がいつ戻ってくれるか心配していた。あかりはそれを見て落ち込む。
あかり「・・・・大丈夫です!絶対に光次郎さんたちが助けてくれます。
・・・そうですわ!早く戻ってくれるように私と一緒にお祈りしませんか!?」
高志「お祈り・・・・?」
あかり「そうです。美里さんが一日でも戻ってくれる事を信じて、お祈りするのです。
もし、一日で戻れなかったら、また早く戻れると祈ればいいですよ。」
高志「うん!やってみる。一日でもお姉ちゃんが助かるように・・・。」
あかり「うふ。じゃ、一緒にお祈りしましょ!」
高志「うん!!」 高志は笑顔で頷き、あかりも微笑む。
しかし、その後すぐに、あかりは切なそうな表情で、上の方に向いた。
あかり(・・・光次郎さん。早く、美里さんを助けてあげてください・・・・・。)
そして、夜の時を迎えた。デスナイトが再び人狩りを始めた。
アルザンの配下であるブラックアタッカーたちはそれぞれ、
町の片隅で若者たちを捕らえ、追放されて一人ぼっちで泣きじゃくる子供を捕らえ、
夜帰りの女子高生たちを捕らえ、家にこっそり潜みそこに住む人たちを捕らえ、
酔っ払いの男たちを捕らえ、お風呂に入っている女性を容赦なく捕らえたりと、
次々と人を捕らえ続けていった。しかし、SSPがそうはさせまいと、
ブラックアタッカーたちと戦って、妨害しようとしていた。
桜や光次郎、折原隊員ら他4名の第6分隊も夜の秋田町でアタッカーたちと戦っていた。
つづく
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