あかり「・・・・おかえりなさいませ・・・・。あら?この竹は・・・・?」
榊「ん?ああ。偶然、落ちてあったからなんとなく拾ってみたんだ。」
聡子「そう・・・・。何かの飾りにしたいって事かしら?」
榊「あ・・・・。はい。そのつもりでもありますがね・・・・・。」
花園隊員「ふぅ・・・。ごちそうさまぁ~。でも、なんか眠くなってきちゃった・・・・。」
青井「そうですか、先輩・・・・。では、キャンプで就寝してもいいですよ。」
光次郎「・・・・そういえば、もう9時半だなァ。」
日向隊長「そろそろ皆、食べ終わっている頃ですし、私たちもそろそろ寝る準備をしましょう。」
あかりたち「はい。」
時は午後11時。皆はテントの中で眠りについていた。
皆それぞれベッドで眠っているらしい。・・・・・ただ、一人を除いて。
榊「・・・・・この竹・・・・・。一体何何だろう・・・・?」
同じくベッドで横たわっている榊はこの竹が気になって少し眠れなかったらしい。
確かに、この竹は光っているし人間の言葉を話している。
この竹は一体何なのだ?まさか・・・・月から来たのだろうか・・・・?それとも、否か・・・・。
いずれにせよ、日が昇る時にこのキャンプは終わる。その時に皆はそれぞれ家へ帰るのだ。
そして、ついに次の日となりキャンプは終了し、皆はそれぞれ帰り、
榊も自分の家に帰り、二階の部屋にいて、机の前に椅子に座って竹を見ていた。
榊「それにしても、昨日拾ったこの竹・・・・。もう光らないな・・・・。む!?」
その時、榊曰く光らなくなったハズの竹がまた光り出し、喋り始めた。
光る竹からの声『・・・・そろそろこの竹から出る事にします。』
榊「っ!?ま・・・また光った!!」 榊はまた竹が光った事に驚く。
光る竹からの声『私を床の方に置いてください。そうすれば、
出られて、私の本当の姿を貴方に見せられますから・・・・・。』
榊「・・・・っ!わ、わかった。じゃあ・・・置くよ。」
そして、榊は光る竹を床の方に置いてみる。すると、その竹がさらに輝きだした。
榊「うわっ!!?」 榊はその輝きの眩しさに目を反らす。しかし、
その輝きが消えると、榊は再び前を向き、竹が置いてあるハズの床の方を見る。
しかし、何故か竹がない。光った竹がなくなっていたのだ。その変わり竹より大きな存在が・・・・。
榊「・・・・・っ!?ああっ!!!だ・・・誰だ!!!?」
榊は自分の目の前にいる何かに驚き、後ろの方に扱けた。その何かとは・・・・・。
それは、人間の女性そのものであった。その顔は美人っぽく、優しそうで、
胸も大きく見える。そして、浴衣姿をしていた。髪も青く長かった。
何故か、腰には日本刀がつけてあった。その女性は礼儀正しく榊にこう言った。
女性「・・・・・助けていただき、ありがとうございました。」
榊「お・・・お前は・・・?光る竹の中にいた奴か・・・・!?」
女性「はい・・・・。私は月にいた頃、星人たちの襲撃にあい父と母を殺され、
奴らに縮小され竹型のカプセルに入れられ地球に落とされ、さっきのような目に・・・・。
でも・・・・。あなたが助けてくれたおかげで今はこのようになりました。感謝しています。」
榊「あ、ああ・・・・。それにしても・・・・お前、月にいたって・・・・まさかっ!!?」
女性「そうです・・・・。私の名はかぐやと言う者です。」
榊「かぐやだって!?じゃあ・・・・・俺はあのおとぎ話の世界を体験しようってか!??」
そう。榊が竹から救ったのは、月から来た、かぐやの名を持つ女性であった。
その女性は日本昔話のかぐや姫に出てきた人物に似ている。そう。
榊は今、日本のおとぎ話、かぐや姫の御爺さん役となってしまったのだ。
榊「ところで・・・・。これから、お前はどうするつもりなのよ?」
かぐや「・・・・・はい。これから、あなたのメイドとなりあなたのために尽くしたいと思います^^」
榊「え・・・・・?お、俺のメイドですっとおおおぉぉぉぉぉぉ!!!??」
榊はかぐやが自分のメイドになると聞いて、驚く。
まさか、自分の願いが今叶えようとしているのかと思っているからだ。
かぐや「・・・・・何か不満でもありますか?」 かぐやは心配そうに榊に問う。
榊「・・・・・ん?あ、いえいえ!ありですありです!!大有りっすよwww
顔とか胸とか・・・・すっごく俺のメイドになるための素質がバッチリですwwww」
かぐや「あは・・・・。ありがとうございます!」 かぐやは榊に認められて笑顔になった。
榊「うん!よーし!今日からお前は俺のメイドだ!!よろしくな!」
かぐや「はい。喜んで・・・・。」 こうして、かぐやと榊が両手を触れ合った。
そう。榊の小さな夢は叶ったのだ。自分の想像通りのメイドに会うと言う夢が・・・・。
榊(いやああぁぁぁ~。いいもんだなァ~。メイドに会えたってのはw)
榊はメイドに会えて嬉しすぎていた。そして、二人が両手を放し合う。
かぐや「・・・・ところで、最初はどうなさいましょうか?」
榊「え?うーん。そうだな・・・・。よしっ!まずは・・・・。ついてきてくれ。」
かぐや「はい^^」 榊が部屋から出ると、かぐやも彼の後を追うように部屋から出た。
榊とかぐやは一緒に町中の道路を歩いていた。それも、まるでカップルのように手を繋いで・・・。
榊(こうやって、メイドと手を繋いで歩くのも気持ちいいもんだよなぁ・・・・w)
かぐや「・・・・あの。どちらへ行かれるのですか・・・・?」
榊「・・・・ふふん♪後でわかるさw・・・・むっ!?」
その時、二人は目の前にある何かを見て、急に立ち止まった。
かぐや「・・・・・・っ!?」 榊「あれは・・・・!梶の野郎・・・・!!」
そう。二人の目の前には、梶と二人の同級生たちが中学生の少女を虐めようとしているではないか。
梶「お嬢ちゃぁん。俺たちとデートしてあぁんな事やこぉんな事とかしなあぁぁ~いw」
少女「い、嫌です!したくもありません!!」
梶「おいおい。あんまり怒らせると、瀕死になるまで痛めつけるよ?」
少女「嫌っ!!!!」 少女にそう言われた梶はついに切れて、彼女の胸倉を掴む。
梶「ふざけるなよ・・・。」 そして、梶が少女を思いっきり殴りかかる。その時。
榊「やめろ!!これ以上、手ェ出すんじゃーよ!!」
榊が叫び、それを聞いた梶が少女を放し、彼の方に向かって襲うとした。
梶「なんでよてめェ・・・・。邪魔じゃ、ボクェエエエエエエェェェェェ!!!!!!」
梶は完全にぶち切れて、榊に殴りかかろうとした。しかし、またその時・・・・・。
かぐやが突然動き出し、榊を庇うように立ち素早く日本刀を抜き、それを梶に向ける。
梶「う・・・・・・っ!!?」 梶は自分の首に刀の刃が近づいた事に驚き、動きを急に止めた。
かぐや「・・・・・・ご主人様に・・・・・手を出すな・・・・・・!!!」
すると、かぐやはさっきとは違う、クールで静かな怒りを表しているような表情で梶にそう言った。
梶「う・・・・。うう・・・・うわああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!殺し屋ああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
梶はかぐやの恐ろしさを感じ、尻餅をつき、やがて立ち上がってはすぐに走って逃げた。
そして、他の同級生たちも逃げていった。おかげで、少女は助かったという。
少女「どうもありがとうございました。」 少女は榊やかぐやにお礼を言って歩いて去った。
かぐや「・・・・・大丈夫ですか?ご主人様・・・・・。」 かぐやは悲しそうな表情でそう言う。
榊「あ・・・ああ。強いんだなぁ。お前。ますますお前をメイドとして認めるよ。」
かぐや「・・・・ありがとうございました。」
それを聞いたかぐやは笑顔になって感謝する。そして、日本刀をしまい、二人は再び歩いた。
そして、ついに榊とかぐやは高町邸の前に来た。
つづく
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