野口と日下部「・・・・・・・・・・・。」
野口と日下部は黙り込む。だが、その数秒後。
日下部「だから、私と一緒に調査しないかって聞いてるの!」
日下部が急に喋り出した。野口はこれに少しだけ驚く。
灰間「・・・・でも、俺。BARの仕事、休んでるしなァ・・・。」
日下部「が・・・っ!」 日下部はそれを聞いて、怒りそうになる。
野口「・・・でも、日下部さんが、
この森で異変が起きていると言ってたんだけれど・・・。
日下部さんに協力しなくて良いのかしら?」
灰間「ああ。確かにそう言ってたな・・・。っ!?」
その時、灰間のペンダントが光り始める。
異変が起き始めた合図だ。
灰間「・・・・確かに、
この森での異変は本当に起きようとしているらしいな。
日下部。俺も手伝って良いか?」
日下部「え、ええ!もちろんよ!一緒に来なさい!!」
灰間「うむ。じゃ、野口。悪いけど・・・。まあ、
すぐに終わらせてやるから。それまで待ってな。」
灰間は立ち、日下部と一緒にどこかへと歩いて行った。
ここに、野口ただ一人だけ残る事になった。
野口「・・・・灰間君・・・・・。」
灰間と日下部は調査のため、人々のいる場所にいた。
日下部「この中に魔族とか宇宙人とか混じっている。
・・・ワケないわよね?」
灰間「いや。奴らはこの人々の中に混じっていない。
むしろ、魔族とかはいないそうだ。」
日下部「そう・・・。では、この森でどんな事が起きるのかしら?
全ての桜が腐るとか・・・かしらね?もしくは、
この地面の中に魔獣が潜んでいるとかもありえるわ。」
灰間「ヒントさえありゃ、すぐに解決できると思うけどよ・・・。むっ!?」
その時、灰間と日下部の前に、徳丸と森下が現れた。
日下部「徳丸!森下さん!あんたたち。こんなところにいたのね。」
徳丸「うん・・・・。」
日下部「・・・で、どうなの?とてもでかい桜の木とやらは?」
森下「とっても最高だったわ・・・。」
日下部「へぇ・・。そうなんだ。」
灰間「・・・・っ!?お前ら、何かおかしくねーか?」
灰間は今の徳丸と森下の容姿に気づく。そう。
徳丸と森下。元気いっぱいな二人が今、
とても暗そうな感じになっているのだ。
徳丸「・・・僕たちね。この森での異変、知ったよ。」
日下部「えっ!?それは本当!!?」
森下「うん。私たちについて来て。」
こうして、徳丸と森下はどこかへ歩き出す。
日下部「これで事件を止める事ができる!
灰間!!ついていくわよ!!」
灰間「罠かも知れんが、そうするしかねーな!!(それに、
徳丸と森下に何があったのか、わかるかも知れねェ・・・!!)」
野口はたった一人であるが、何もしてなかった。
野口「・・・・弁当もジュースも残ってるけど、独り占めはできないわ。
だって、皆。いっぱい食べたり飲んだりしたいもの・・・。
それに、何であんな事を言ったんだろう・・・。」
野口は後悔している。さっき放った言葉の事を。
日下部さんに協力しなくて良いのかしら?・・・と。
野口「でも、仕方がないわよね。私、
日下部さんみたいにアクティブな性格じゃないから・・・。っ!?」
その時、野口は前方に美しい浴衣の女性がいる事に気づく。
野口「綺麗・・・・・。」
だが、その女性はマノン星人であった。
その女性がいきなり野口に近づく。
野口「ひ・・・・・っ!?」 野口はこれに驚く。
マノン星人「どう?綺麗でしょ?私の姿・・・。」
野口「・・・は、はい。」
マノン星人「そうよね。でも、あなたは・・・。
いえ、あなたたち地球人が醜いわ。」
野口「え・・・・!?」
マノン星人「安心なさい。
今日であなたたちの醜い生は終わるから。
天国に行けると良いわね・・・。おほほほほほほ・・・!」
マノン星人はそう言うと、どこかへ去った。
野口「・・・・何なの?あの人。もしかして、宇宙人!?」
灰間と日下部は徳丸と森下の導きによって、
この森で一番大きな桜の木のある場所に来た。
野口「これが、この森で一番大きい桜の木ね・・・・。」
灰間「この木に異変があるのか?」
徳丸「うん。そうだよ。」
森下「もうすぐ来るよ。この木の事を一番知っている方が。」
そして、徳丸と森下の近くに、浴衣の女性もといマノン星人が現れた。
日下部「あんた・・・。誰?」
マノン星人「私がこの木の事を知っている美しいお姉様よ。
この私が特別に、この木の全てを教えてあげる。」
日下部「くっ!何かムカツク態度をするわね・・・!」
マノン星人「ムカツクとかとんでもないわ。私はこの星で、
一番の美少女なのよ。
全ての人たちがメロメロしちゃうのよ。この二人のようにね。」
マノン星人は徳丸と森下に手を向けて、
そう言う。そして、灰間のペンダントが光る。
灰間「そりゃ、てめーが洗脳したからよ。だって、お前。宇宙人だろ?」
日下部「な、何ですって!?」
マノン星人「あら?いきなりバレちゃったのね。(まあ、
仕方がないわね。
あの男の子。ウルトラマンティアーズだから・・・。)」
灰間「で、さっさとこの木の事を教えろや。この宇宙人めが。」
マノン星人「はいはい。教えてあげますわよ。この桜咲きの森で、
一番大きい木は、
大昔から誕生している事は大抵知っているわよね?」
灰間「ああ。ネットでその情報を得たからな。」
マノン星人「でもね、私。
その大きな木に魔力を植え付けちゃったの。
それで、この木は魔獣として生まれ変わるのよ!あはっ!!」
日下部「異変はあんたが作ったものなのね・・・・!」
マノン星人「そう言う事。ほら、間もなく生まれるわ。
私だけの怪獣が・・・・!!
その怪獣でこの星を支配してあげる!!」
この森で一番大きい桜の木に赤い目のような形の光が二つ輝き、
心臓の音と共に怪獣の鳴き声が聞こえるようになる。
怪獣の鳴き声「ゴオオォォ・・・ゴオォォ・・・」
マノン星人「おお!!産声が聞こえるわ!!もうすぐよ!!
もうすぐ、私の可愛い子供が誕生するわよ!!!」
日下部「そうはさせないわ!!!」
日下部はバルガンをこの森で一番大きい木に向ける。その時。
その木の前に徳丸と森下が立つ。これでは、木を撃つどころか、
徳丸か森下に命中してしまう恐れがある。
日下部「っ!?何をしているのよ!!そこをどきなさいよ!!!」
徳丸「嫌だよ。日下部さん。だって、僕たち。」
森下「偉大なるマノンお姉様に協力してるんだもん。」
そして、徳丸と森下。二人はそれぞれ鋭い刀を持ち始める。
マノン星人「さァ。お前たち。私の魔獣が生まれる前に、
この邪魔者たちを抹殺なさい!!我が侵略計画のために!!!」
徳丸と森下「はっ!!えええええぇぇぇぇぇぇい!!!」
マノン星人の命令に従う徳丸と森下は灰間と日下部に斬りかかる。
日下部「きゃっ!?な、何すんのよ!!?」
灰間「てめーら!!正気に戻れよ!!!」
日下部と灰間は森下と徳丸の攻撃を避けながら、そう言う。
マノン星人に操られている徳丸と日下部と戦うワケにはいかないのだ。
徳丸「死んじゃえ!!!」 灰間「ぐっ!?」
森下「このォ!!!」 日下部「・・・・っ!」
灰間は徳丸の刀を受け止め、日下部は森下の刀を受け止めた。
そして、この森で一番大きい桜の木が紫色と共に光り、
その周りの地面にヒビが大きく入る。
マノン星人「いよいよね・・・!!さァ!!
この世に現れなさい!!!魔獣、バナミロン!!!!!」
そして、バナミロンと名付けられた木が強烈に光った。
その光が次第に大きくなっていき、その光が消える。
美しい桜の木が醜い悪の植物魔獣へと変貌したのだ。
その姿は木に似ているらしいが、足が二つあり、
木の枝に似た触手が6本にあり、体の左右に3本ずつ生えている。
その身体の中心には、
醜い化け物の顔があり、目が赤く、口も何かと不気味に近いそうだ。
頭には桜が多くある。よく見ればアフロ風らしい。
この恐ろしい植物の魔獣こそ、バナミロンであるのだ。
バナミロン「グエエエエェェェウウウウゥゥゥゥゥ」
つづく
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