コリス「あ!テ、テブリッシュさん・・・・!」
テブリッシュがこの司令室から出ようと歩き、コリスも彼についていくように歩く。
二人は司令室から出た。
廊下を歩くテブリッシュにコリスが不安そうに話しかける。
コリス「あの・・・・まさか、諦めようと言うの・・・ですか?」
テブリッシュ「・・・・X-RCはいかなる物を探知できる、
新世代のマシーンであった。だが、もう何が何だかわからなくなってきたんだ・・・。」
コリス「けど、もっと調べてみればわかるかと思います・・・・。」
テブリッシュ「だが、それは加減しなければ故障してしまう恐れもある。
やはり・・・・あの機械を開発するには早すぎたのかも知れない・・・・。」
コリス「そんな・・・・・。」 ・・・・いや、開発の早さのせいではない。
あのX-RCの反応は正しかったのだ。その証拠が今、明らかになる・・・。
謎の声「わああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然、男の声が廊下中に響いた。テブリッシュとコリスがそれに気づく。
テブリッシュ「っ!!何かが起こった!!」 コリス「行ってみましょう!!!」
二人は悲鳴をあげた男のところへ走る。そこに、
その男・DGCの作業員の一人が尻餅をついて怯えていた。
テブリッシュ「おい!どうした!!?」
作業員「ば・・・・化け物!熊と鳥の化け物が来たァ!!!」
コリス「熊と鳥の化け物!?」 テブリッシュ「もしかして・・・っ!むっ!!」
テブリッシュは前の方向に、奇妙な姿の怪人が走っているところを一瞬見た。
その怪人は熊のような姿をして、背中に背負っているリュックから、
赤い鳥が出ていた。その怪人が右の方向へと逃げていた。
テブリッシュ「あいつだ!!追うぞ!!コリス!!」 コリス「はいっ!!!」
二人は今の怪人を追おうと走った。
コリス「テブリッシュさん!!あの怪人は・・・・・!!」
テブリッシュ「ああ・・・・!あのX-RCから未来からの物質を探知していた。
もしかすると、あいつらが・・・・っ!!」
二人は走りながら会話する。そして、熊の怪人がドアを開けて、ある部屋へと入った。
テブリッシュ「コントロールルームへと入ったな!!もう逃げられないぞ!!!」
二人もコントロールルームへ入った。コンピューターの多い部屋で、
熊と鳥の怪人が戸惑うように立ち止まっていた。
鳥の怪人「ちょ、ちょっとおおぉぉ~っ!!ここ、出口がないじゃなあぁぁぁい!!」
熊の怪人「そ、そんなあぁぁ~っ。この基地のシステムを無断で使ってはいけないし・・・・。」
テブリッシュ「見つけたぞっ!!!!」 テブリッシュの激しい声に二人の怪人が驚く。
熊と鳥の怪人「ギクッ!!!!;;」 二人の怪人は恐る恐る後ろの方に向く。
そこに、銃を構えているテブリッシュとコリスがいた。
コリス「こいつら・・・。人間の言葉を話せるのか・・・。」
テブリッシュ「貴様たち・・・どこの何者だ・・・?」
熊の怪人「あ、ああ・・・。こほん。ぼ、僕はバンジョーと言います。
この赤い鳥はカズーイです。はい・・・;」
熊の怪人・バンジョーは汗を流しながらも、礼儀正しく自己紹介した。
テブリッシュ「では、質問しよう。お前たちはどこから来た?」
赤い鳥のカズーイは強気な感じでこう言った。
カズーイ「い、言っとくけど!あたいたちは宇宙人じゃないんだから!!!」
テブリッシュ「・・・・・やはり、お前たちが未来から物質の正体か・・・?」
バンジョーとカズーイ「え・・・・?」
コリス「詳しい話は司令室で・・・・。」 コリスとテブリッシュは銃の構えを解いた。
かくして、未来から来たと思われるバンジョーとカズーイは、
コリスとテブリッシュに司令室へと連れて来られた。
テブリッシュがX-RCを使うと、レーダーがバンジョーとカズーイに向けた。
テブリッシュ「やはりな・・・・。どうりでおかしいワケだ。」
カズーイ「お、おかしい・・・?」 バンジョー「それは一体どう言う事だ・・・?」
イチゴとシュドーがそんなバンジョーとカズーイを見て、ひそひそと話す。
シュドー「なあなあ。あいつら、絶対におかしいぜ?熊のクセに、
リュックをしやがって。しかも、そのリュックに鳥とはよ。それに喋ってやがるぜ。」
イチゴ「宇宙人ではないとも言ったけど・・・。モモ隊長、
初めてそいつらを見て、驚かなかったし。」
ちなみに、モモは真剣な表情で二人の怪人と二人の隊員を見ていた。
テブリッシュ「やはり、君たちは未来人であるそうだな。それも、
昨日からこの基地に潜入しているみたいらしいな?
そうでなければ、昨日からこのX-RCの反応がおかしいように見えなくならないハズだ。」
カズーイ「だ・・・だから、何よ?」
コリス「あなたたちは未来から来た人物である事がわかったんです。
何故、この時代に来たんですか?」
バンジョー「何故って言われても、僕らも何が何だかわからないんだ。
ここが僕らにとっての過去の時代だなんて、今始めて知ったし・・・・・。」
モモ「なるほどね。何故この時代に来たのかはわからないワケね・・・・。」
テブリッシュ「あ。モモ隊長。」
モモ「まさか、タイムマシンとかシンプルな方法で来たんじゃないんでしょ?」
カズーイ「え?あたいたち、そんなの使ってないわよ?」
バンジョー「・・・・ただ、何かの奇妙な光のトンネルに吸い込まれて・・・・・。」
モモ「奇妙な光のトンネル・・・・?」
バンジョー「うん。未来の時代で冒険していた時、偶然謎の光の穴と遭遇して、
その穴が急に僕らを吸い込んだのです。その穴は一体、誰がやったのかわからない・・・・。」
モモ「そう・・・・。」
テブリッシュ「とりあえず、君たちの身柄は、我らDGCが保護しよう。
君たちのおかげで、X-RCの性能が完璧である事がわかったのだから・・・・。」
バンジョー「あ、ありがとうございます。テブリッシュさん。」
そこに、サキが来た。買い物袋にジュースを何本か持っている。
サキ「お待たせしました、皆さん。差し入れを持って・・・・。ん?」
サキの目線にバンジョーとカズーイの姿が入る。それを見たサキは急に驚き、叫ぶ。
サキ「きゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
熊と鳥の怪物ううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
サキの叫びがDGC基地内に轟いた。
後にコリスが事情を話して、彼女を落ち着かせたらしい。
こうして、バンジョーとカズーイはDGC基地を居候するようになり、
隊員たちが二人を眠れそうな部屋へ案内した。ここはサキの部屋である。
サキ「さっきは驚いてごめんなさいね。お詫びにここで寝ても良いわよ。」
バンジョー「ありがとう。隊員の姉さん。」
シュドー「・・・・なあ、一つ聞くけどよ。お前ら、悪党なワケねーよな?」
カズーイ「失礼ね!あたいたちが悪い事するハズないでしょ!?ね、バンジョー。」
バンジョー「うん。僕らは未来世界の平和を守るために、
巨大な犯罪組織と戦う旅に出ているんです。」
イチゴ「そうか・・・。しかし、不思議だね。未来と言うのは。
君たちのような高等生物がいるもん。未来にはそんな高等生物がいっぱいいるんだろうなァ。」
カズーイ「まあ。ボトルズが言うから、あたいたちの時代には、
あんたたちの想像を越えたような凄い動物がいっぱいいるわよね。
植物も無機物も目が生えて喋りまくるわ。とにかく凄いんだから。」
テブリッシュ「そうかぁ・・・未来の世界ってそんなに凄いのかァ。
バンジョー!カズーイ!君たちのいた未来世界の事をもっと話してくれないか!?」
バンジョーとカズーイ「え・・・・?」
テブリッシュ「俺、知りたいんだ。未来と言うヤツを・・・・。
その未来がどんなところなのか、もっと知りたいんだ。」
カズーイ「うーむ。めんどくさいわねェ・・・。」
バンジョー「まあ、ここはできるだけ話してあげよう。わかりました、テブリッシュさん。
では、これから知ってる限りの事で話しておきましょう。」
テブリッシュ「ありがとう。あははははははははは!」
テブリッシュが笑うと、バンジョーとカズーイはもちろん、他の隊員たちも笑い始めた。
司令室ではコリスとモモが会話をしていた。
コリス「テブリッシュさんたち、すっかり、
バンジョーさんとカズーイさんと仲良くなってますね。」
モモ「ええ・・・。あの熊と鳥から、物凄い力を感じているわね?」
コリス「はい。それは、間違えれば悪魔を越える程の力でした。」
モモ「でも、正しければあのレリッカーを数億くらい倒せる力を発揮できるわ。
あのレリッカーを造ったのは、確か宇宙人だったわよね?」
コリス「え、ええ・・・。そうですが・・・・?」
モモ「あの宇宙人はきっと、とても凄い科学力を持っているに違いないわね。」
コリス「・・・・たとえ、その凄い科学力を持っている敵がどんな星人だろうと、
シャドーさんの手下なら倒すべきです!!」
コリスは真剣な表情でそう言う。モモは冷静な感じでこう言う。
モモ「でしょうね・・・。明日も星人はレリッカーを使うつもりよ。
今度の作戦はバンジョーとカズーイにも参加してもらうわ。」
コリス「え!?でも・・・彼らはただ、この時代に迷い込んだだけで・・・・。」
モモ「でも、彼らには凄い力があると思う。あの二人は未来で戦ったと言った。
もしかしたら、説得次第では、我々と一緒に戦ってくれるかも知れないわ。
そう。なるようになるだばないだばさ!ってね・・・。」
コリス「・・・・はい。明日、彼らを説得してみます・・・・。」
一方、ナイトメア・ナーサのレリッカー工場では、
ラグロム星人の造った機械によって、多くのレリッカーが次々と生産されていく。
その様子を見たラグロム星人にシャドーが話しかける。
シャドー「ねェ~。ラグロム星人。例の奴等はどうかしら?」
ラグロム星人「例ノ奴等ト?」
シャドー「ほら、あなたがDGC基地に送り込んだあの二人よ。」
ラグロム星人「アア・・・。アノ熊ト鳥ドスカァ?
アイツラハコノ現代ノ事ヲ知ランカラ、狂ッテ暴チョルデショウ。
今頃ハ、DGCノガキ共モォ、ギッチョンギッチョンニサレチョリマスワァ?」
つづく
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