コリスはアロウンの言葉を聞いて、動揺する。
何故なら、その少年が自分に近い宿命を持っているからだ。
コリスはその真相を聞きだそうと言葉を放つ。
コリス「・・・・どうして、そうしているの?」
アロウン「ん?・・・・それって、俺のやってる事について?」
コリス「うん・・・・。できたら、教えてくれる?」
それを聞いたアロウンはしばらく考え込み、こう語る。
アロウン「う~ん。・・・・うまく言えないけどさ。
僕、昔は不幸なところで育ったんです・・・・。」
サキ「不幸なところ・・・・?」
アロウン「はい・・・。あれは物心ついた時から。
僕が生まれた街はとても暗く荒んでいたんです。
その街ができたのは多分、
昔から続いてた戦争のせいだからです。
それをお父さんが教えてくれました。」
アロウンが語っている間に、場面が空が暗く、
廃墟に近い街の光景に変わる。そこの住人たちが、
絶望をするように座ったり寝たりして、
大勢の子供が一人の子供に虐めを仕掛けていたりした。
アロウン「・・・・とにかくそこの街の住人は、
特に気性の荒い奴が多く、子供たちもほとんど仲が悪いんです。
弱虫な子供や、醜い姿の子供は常に虐められ、殺されかけてます。
家族は貧乏は多く、幸せな事がほとんどないんです・・・・。」
コリス「そ、そんな街があったなんて・・・・っ。」
コリスはアロウンの故郷がそんなに酷いと聞いて、
悲しそうになる。ちなみに、場面が現在に戻る。
サキ「知ってるわ。
その街は確か・・・ギャングなども多かったわね。」
アロウン「はい。僕の家族も貧乏でしたが、
心は荒れてませんでした。母はこの街の治安が悪いのは、
人々が夢と希望を忘れているからと言ってました。ですが、
その母は他の連中に虐待され、死んでしまいました。
残った父は僕を懸命に育てて、これ以上、
僕を不幸にさせたくないと、ワザと追い出したんです。」
コリス「その父は、君に他のところで幸せに生きて欲しいから・・・。」
アロウン「うん・・・。そして、思ったんです。これ以上、
周りの不幸は見たくないと。そこで決心したんです。
僕が周りの人たちを幸せにしてやろうと・・・。」
サキ「こうして、今のあなたがいるってワケね・・・。」
二人は感動した。とても不幸な街で生まれた少年が、
心を汚さず、
周りの人たちを幸せにしようと頑張っている事を・・・。
コリス「・・・・それが君の宿命なんだね。僕と一緒だね。」
アロウン「え・・・・?じゃあ、仲間ですね!」
コリス「うん。」 コリスとアロウンは笑顔で握手した。
サキ「くす・・・・・。っ!?」 それを見て微笑むサキだが、
突然シーバーが鳴り出して、真剣な表情をして連絡をとる。
サキ「こちら!サキ!!」
イチゴ『こちら、イチゴ!怪獣反応が発する地点を発見した!!
そこに怪獣が眠っている可能性がある。数時間後に、
ダイナマイトで爆発して、怪獣を起こして攻撃する!
君たちも博物館にいる巨大物体の謎を解いてくれ!!』
サキ「わかりました。夜になったら行動を再開します!!」
イチゴの声『わかった!では、健闘を祈る!!』
アロウン「・・・・何か、事件があったのですか?」
サキ「ええ。博物館で展示されている巨大物体が、
動いているとの噂があって、真相を突き止めようと・・・。」
アロウン「・・・そいつは多分、怪獣ですね・・・!」
コリス「・・・・君も協力するかぃ?」
アロウン「もちろん!平和を乱す怪獣は許しておけません!!」
サキ「・・・決まりね。それじゃ、夜になったら、
博物館にこっそり潜んで巨大物体を調査するわよ。」
コリス&アロウン「はい!!」 こうして、3人は作戦を提案した。
夕日となったグランドキャニオンでは、
とある谷に、イチゴたち3人はもちろん、
大勢の自衛隊員や戦車部隊がいた。
谷の壁部分では、複数の自衛隊員が複数のダイナマイトを、
仕掛けていた。全てを設置するまで後数分かかるらしい。
テブリッシュ「おい。イチゴ。本当にここだろうな?」
イチゴ「探知機を見ればわかるでしょう?
ここから物凄い生命反応を感じているんです。」
シュドー「まあ。確かにそうかも知れねェだろうけど・・・・。」
3人の持つ探知機では、
谷の壁部分かた物凄いエネルギーを反応していた。
イチゴ「間違いない。怪獣はここにいます・・・・っ!」
テブリッシュ「念のため、他の自衛隊にも連絡をとっておいた。
無数の攻撃部隊で一気に怪獣を粉砕する。そのための、
援軍が間もなく、ここへやって来る。」
シュドー「よっしゃ!早く来やがれ、
怪獣め!一気に倒してやらァ!」
そして、全てにダイナマイトが設置され、一人の自衛官が叫ぶ。
自衛官「ダイナマイト全て設置しました!!」
テブリッシュ「了解!!
援軍が到着次第、ただちに爆破してください!!」
それから数分後、無数の戦車による援軍が来た。
テブリッシュ「攻撃態勢が整ったな!今です!!爆破を!!」
こうして、設置した全てのダイナマイトが爆発する。
それにより、
谷の壁部分が崩れ出し、そこから怪獣の鳴き声が聞こえる。
怪獣の声「キギギイイィィィキギギイイィィィキギギイイィィィ」
シュドー「っ!!さっそく出やがったか!!!」
そう。ついに崩れる岩壁から怪獣がその姿を現したのだ。
その怪獣はザリガニ?のような姿をして、黄色い目をしていた。
その名はクラブガン。このキャニオンに潜む恐怖の怪物である。
自衛官「攻撃開始!!!!」 怪獣が出現した途端、
多くの戦車部隊が一斉砲撃を始め、イチゴたちや歩兵部隊も、
バリケードに隠れながら、一斉射撃を開始した。
クラブガンはこの総攻撃を受ける。だが・・・。
クラブガン「キギギイィィキギギイィィキギギイイイィィィィ」
クラブガンはその攻撃に耐えながら、進行していった。
イチゴ「そんな!?総攻撃を受けても倒れないなんて・・・!!」
シュドー「畜生!!」 テブリッシュ「攻撃を続けろ!!」
戦車部隊が必死に砲撃を続けるも、
クラブガンやどんどん接近してくる。
クラブガン「キギギイイィィィキギギイィィィィキギギィィィィィ」
クラブガンは両腕のハサミで次々と近くの戦車を、
切ったり突き刺したりで爆破していく。さらに、
一台の戦車を持ち上げ、投げ飛ばした。
残りの戦車たちはもちろん、
イチゴたちと歩兵たちはさがりながら射撃を続ける。
テブリッシュ「撃て撃て!!
敵から離れながら攻撃するんだ!!」
シュドー「この怪獣・・・!実に硬ェな・・・!!」
イチゴ「コプターラッシュのところに戻りましょう!!」
DGCと自衛隊は攻撃を続けるが、怪獣は倒れる様子だ。
そして、夜となった。再びファークウェイ博物館の館内へ・・・。
サキ、コリス、アロウンの3人は警備員に見つからずに、
こっそりと巨大物体のところに来た。なお、部屋と暗いので、
3人共、懐中電灯を使っている。
アロウン「・・・・僕。実はDGCに入ってみたいと思ったんだ。
そのDGCと協力なんて・・・・。」
コリス「でも、こうしてDGCの臨時隊員になってるじゃないか。
今回は一緒に頑張ろう!」
アロウン「うん!」 アロウンは笑顔で応え、コリスも微笑む。
サキ「隊長の言う事によれば、そろそろ動くハズだけど・・・。」
3人は巨大物体を見ていた。その時、異変が起きた・・・。
つづく
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