青井「あ・・・・・はい・・・・・・・。」
光次郎「そんなに緊張しなくてもいいよ、奈々ちゃん。あかりさんは、
僕たちには優しいんだから。決して傷つける事はしないよ。きっと・・・・。」
青井「そ・・・・そう。それより、あかりさん!高町隊員が・・・・・。」
あかり「っ!そうでしたわね・・・・・。大丈夫ですか?光次郎さん。」
光次郎「あぁ・・・・。痛むけど、少しだけなら平気だよ・・・・・。」
光次郎から青井から放れると、すぐ倒れそうになるが、あかりがなんとか彼を抱えて、支えた。
あかり「あまり無茶なさらないでください・・・・・。」
光次郎「しかし・・・・。あの見えない奴を探さなければ・・・・・っ!」
あかり「見えない奴・・・・・?」
青井「街で謎の連続殺人を引き起こした犯人です。姿が全く見えなくて、
それで多くの人が気づかれずに殺されていきました。」
あかり「姿が見えない・・・・・・。」
光次郎「それだけではない・・・!僕たちが現場を捜査している時に、
突然、建物が次々と爆発して街が火の海になっちまったんだ・・・・・っ!!
こいつもきっと、見えない奴が何かの仕掛けたのかと思う・・・・・。」
あかり「・・・・・とりあえず、和室に行きましょう。光次郎さんを休ませないと・・・・・。」
青井「は、はい。そうですね・・・・。」
こうして、3人は和室へ移動した。光次郎はあかりが敷いた布団で横たわって、休んでいた。
あかりと青井はちゃぶ台のところで座って、会話をしていた。
あかり「・・・・そうですか。あなたもデスナイトを倒すために、SSPに・・・・。」
青井「はい・・・・。私はデスナイトの奴らに家族を奪われました・・・・。
その復讐を果たそうとSSPに志願したんです・・・・。私はデスナイトがとても憎い・・・・・。」
あかり「・・・・くすっ。あなたは、光次郎さんと似てますね。私のご主人様も、
デスナイトに友達の一人を殺され、復讐のために初めは単身でデスナイトと戦っていたのです。
後に、SSPに志願したのです。あなたと少し違う理由で・・・・・。」
青井「違う理由・・・・?」
あかり「はい。それは・・・・大切な人を守りたいと言う想いです。
光次郎さんはデスナイトに対する復讐心より、その想いの方が強かったので、
今でもSSP隊員として、デスナイトによって悲しみにくれた人たちを救い、
愛する人を守るために、SSP隊員としてデスナイトと戦う事を選んだのです。」
青井「想い・・・・か。そう言えば、私にはそんなのなかったですね・・・・。
私はSSPに入る前からずっとデスナイトへの恨みだけ抱いていましたから・・・・。」
あかり「でも、そんな恨みだけを抱いていたあなたにも、今は大切な人ができたと思いますよ。」
青井「大切な人・・・・・。」 そう聞いた青井は、眠っている光次郎の方を向く。
恐らく、この光次郎こそが、青井にとって大切な人の一人であろう・・・・・。
青井「・・・・・この人は只の隊員としての縁です。でも、この人を見てるうちに、
なんか・・・穏やかな感じがして次第に、なんか・・・この人を守りたいと言う気持ちが、
出てくるようになりそうなんです。本人には言えませんが・・・・・。」
青井はそう言いながら、あかりに向かって微笑む。あかりも微笑む。
しかし、その間に閉まったハズの玄関のドアが何故か勝手に開き始めていた。
玄関のドアが自然に開くハズがない・・・・。もしや、これは・・・・!?
あかり「そうですか・・・・。」 青井「もしかして私、こいつ(高町)を想っているのかも・・・・。」
その時、目を覚ました光次郎はゆっくりと上半身を起こした。
光次郎「うう・・・・うん。」 あかり「あ。まだ駄目ですよ。寝てなくは・・・・。」
あかりは起き上がった光次郎にそう言った。彼の健康を心配しているそうだ。
光次郎「平気さ。眠ったら、痛みがほとんど治まってきたよ。」
青井「でも、あんた・・・・。いつかまた痛みが戻ってくるんじゃ・・・・?」
光次郎「大丈夫だよ。その時はその時。なんとかして見せるさ・・・・。」
青井「・・・・ちょっと、あんたの部屋がどんなのか調べに来ていいかしら?」
光次郎「ああ。二階の部屋さ。でも、僕はここで眠らせて頂くから後は勝手にやって・・・・。」
青井「わかったわ。じゃァ、勝手に高町隊員の部屋を拝見させて頂きますね。あかりさん。」
あかり「はいw光次郎さんが許可してくださったから・・・・・・。」
青井「はい。」 そう聞いた青井は頷いて、和室から出て二階の光次郎の部屋へと目指した。
あかり「では、私も夕飯の仕度をしますので、光次郎さんはゆっくり眠ってください。」
光次郎「ああ・・・・。では、そうさせてもらうよ・・・・。」
あかりが和室から出て行くと、光次郎はすぐ眠りにつこうと、目を瞑った。
あかりは和室から出て行く時にふすまを閉じていった。しかし・・・・その時。
しばらくすると、ふすむが開いた。しかし、そこから誰も出ていない。そう。
ふすまが勝手に開けたと言うのだ。が、これはありえない事である。しかし、光次郎は今、
眠っているため気づいていない。そんな彼のところに、謎の影が出てきた。
かくして、青井は二階の光次郎の部屋へ来ていた。
青井「ここが、高町隊員の部屋かァ・・・・。なんかいかにも、男っぽい雰囲気ねぇ。
パソコンもあるわね。どんな物があるか調べてみちゃおうか。」
青井はさっそく机にある光次のパソコンを起動してみる。しばらくすると、
デスクトップの画面が表れた。青井はマウスを使ってインターネットへと移動する。
青井「高町隊員が使うネットのトップは、YAHOOか・・・・。サイトとか持ってないかしら・・・・?
しかも、さっき見かけたけど、トリックスターとかラテールとかのゲームがあったし・・・・。
まずはお気に入りで適当にやってみるか。」
青井はお気に入りをクリックしてみた。中にはいろんなサイトがあるらしい。
青井「へぇ・・・・。擬カビ系はもちろん、特撮系にアニメ系もあるわねェ。」
青井はとりあえず、お気に入りの中にある様々なサイトを回っていた。
青井「いろいろあるのねぇ。ピクシブもあるし。あいつ、結構絵が上手なのね。
私の画力なんか、まだまだあんなもんだわねぇ・・・・。」
青井はいつの間にか光次郎の部屋で、ネットを楽しんでいた。・・・・その時。
光次郎の声「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
青井「っ!!?高町隊員!!!!」 光次郎の悲鳴を聞いた青井は、
彼の身に何かがあったと思って、すぐに部屋から出て一階の和室へと急いで走った。
青井「高町隊員!!!!!」 さっそく和室についた青井。
しかし、彼女が見たのは何故か首を痛がっているように光次郎であった。
光次郎「ううううぅぅぅ・・・・・っ!!!!く・・・首が!!首が苦しい・・・・・・っ!!!」
青井「どうしたの!?高町隊員!!しっかりして・・・・・!!」
青井は痛む首の手を近づけている光次郎に駆け寄ろうとするが・・・・。
青井「きゃああぁぁぁっ!!!」 この時、青井はいきなり光次郎の近くから、
何故か弾き飛ばされて、壁に叩きつけられる。まるで、光次郎から引き離すように。
青井「い・・・・いったあぁい・・・。でも、何故私が高町隊員の近くに来たら・・・・!?」
青井は何故、光次郎の近くに来たら急に弾き飛ばされるのか理解できなかった。
光次郎「うぅっ!!!ぐああああぁぁぁぁ・・・・・あ!!!!」
しかし、こうしてる間でも光次郎は首を痛がっている。
光次郎(く・・・・苦しい・・・・・!!まるで、誰かに締められているような感触だ・・・・・・!!)
光次郎は痛む首を押さえようとしているが、何故かその両手が首に押さえつけられないのだ。
あかり「どうしたましたか!!??」 そこに、あかりが駆けつけて来た。
青井「あっ!あかりさん!!高町隊員が・・・・・・!!」
あかり「え・・・・!?・・・・・・・・っ!!」 そう聞いたあかりは、首を痛がる光次郎を見て、
両目を水色に光らせた。これは、いわゆる透視能力と言っていいだろう。
あかりの目線が青くなり、苦しむ光次郎の後ろに何者かの姿が見えるようになった。
この者は、ステルスファントムスだったのだ。そう。ステルスは既に透明化して、
光次郎を追跡して今、彼の首を絞めて抹殺をしようとしていたのだった。
だから、光次郎はそのジャンボロイドに首を絞められて苦しんでいるのだ。
あかり「ジャンボロイド!!!!!!」 青井「ええっ!?でも・・・見えませんよ?」
あかりは透視能力でステルスの姿が見えるが、青井には全く見えなかった。
ステルス・ファントムス(ち・・・・っ!!ライターめ、もう気づいたか・・・・・!!!)
ステルスはそう思って、光次郎から放れた。そして、窓を開けて逃げ出した。
青井「窓が勝手に開けた!?」 あかり「ジャンボロイドが逃げたんです!!!」
光次郎「何っ!?ジャンボロイド!!?じゃあ・・・・僕の首を絞めたのも・・・・・!!」
3人は家から出て、逃げたジャンボロイドを追おうとした。
あかり「あっちです!!!」 光次郎と青井「・・・・・っ!!?」
あかりが指指したところに、透明化して逃げているステルスの姿がある。
しかし、光次郎と青井には見えなかった。ところが、透明化していたハズの、
ステルスの姿が少し透けているが、少しだけ見えるようになった。
光次郎と青井「あっ!!!」 二人はそのジャンボロイドの後姿を見て、驚いた。
しかし、ステルスはまたすぐに見えなくなり、もう追っても無駄なように走り去ってしまった。
あかり「・・・・・あのジャンボロイドは・・・・透明ジャンボロイドでしたのね・・・・・っ!!」
光次郎「わかったぞ・・・・!あの見えない敵の正体が・・・・・!!」
SSP第6分隊支部の司令室。そこで春日が青井と電話をしていた。
春日「見えない犯人の正体がわかった!?」
青井の声『はい!奴はデスナイトの人型ジャンボロイドだったのです!!
奴は高町隊員を暗殺しようとしていました・・・・!』
春日「ジャンボロイド・・・・!!いわゆる、今回の敵は透明ジャンボロイドってワケね・・・・。」
青井の声『昨日の連続殺人も街が勝手に爆発したのも、全て奴の仕業だと思います。』
春日「それで、高町隊員はどうなったの!?」
青井の声『はい。現在、メイドの女性が彼を看病しています。』
春日「あかりさんね。では、青井隊員も高町隊員の看病をお願い・・・!」
青井の声『わかりました・・・・・!』
桜「・・・・・っ!光次郎君・・・・・。」
野沢「まさか、あの見えない犯人がジャンボロイドだったなんて・・・・・!!」
清水「しかも・・・・何故、高町隊員の暗殺を・・・・!?奴は一体何を考えている・・・?」
つづく
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