幸雄「随分と自信満々だな?頭、大丈夫?」
甚太郎「うん。大丈夫さ・・・。それに、
お金さんの方も、安心してね。今年はマジ大丈夫だから。」
幸雄(甚太郎の奴。何か凄く余裕って感じだな。
去年ではあんなに嫌がっていたのに・・・。何か嬉しくねェ。
俺は奴が切なくなるところが見たいと言うのに。
・・・・まあ良いや。そのうち、何とかなるだろうね。)
甚太郎(・・・僕には新しい友達がいるんだ。そいつが、
僕の力になってくれるんだ・・・・!)
甚太郎は心の中から笑った。甚太郎に何があったのだろう。
幸雄の友達「何を笑っているの?もしかして、
また今日も俺らの仲間にいじめられたいの?」
甚太郎「いや。いじめられないよ。今日は・・・。」
そして、この教室の窓側から、
鯉のぼりらしい物の一部が見えた。
下校時間となった。灰間と野口は、商店街に行った。
灰間「ここに、鯉のぼりが売られている店があるのか?」
野口「ええ。確か、この辺にあるのだけれど・・・。」
灰間「・・・・・ん?あっ!あの子は・・・。」
その時、
灰間と野口は近くに甚太郎がいる事に気づき、彼に近づく。
野口「やぁ。まった会ったわね。」
灰間「こんなところで何やってんだ?」
甚太郎「むっ?昨日の連中か・・・。そうだ!調度良いや。」
灰間「何が調度良いんだ?」
甚太郎「・・・ちょっと、お金をくれないかなァ?」
野口「何のために?」
甚太郎「いやさ。
いじめっ子共が僕の金でお菓子を多く買えって、
言ってさ。それで、僕の金が減っちゃうんだよ。
そこで、あんたたちから金を奪って、
僕の持つ金の数を元通りにするってワケさ。」
野口「そう・・・。いじめっこが・・・。じゃあ、これで良いかな?」
野口は1000円を甚太郎にあげた。
甚太郎「おお。ありがとう。お姉ちゃん。」
灰間「おいおい。良いのかよ?こんな奴にあげちまって。」
野口「だって、可哀想だもの。いじめられっ子と聞いて・・・。」
甚太郎「ほら。そこのあんたも・・・。」
甚太郎は灰間に向かって言う。
灰間「・・・・悪いな。俺の金は鯉のぼりを買うためにあるんだ。
すまねェが、お前に金はやれない。悪いが、
他の優しい人に頼んでくれ。行くぞ。野口。」
野口「え、ええ・・・。」
灰間は野口と共に、
鯉のぼりの売られている店へと行こうとする。だが。
甚太郎「知らないよ?どうなっても。」
灰間「ん・・・?」
甚太郎「僕の頼みを聞かなかったあんたは、
もう死んじゃうかもね?」
甚太郎はそう言うと、灰間と野口の元から去って行った。
そして、夕日。甚太郎は家に帰り、自分の部屋に来た。
甚太郎「・・・・ただいま。」
甚太郎は部屋に置いている鯉のぼりに向かって、そう言う。
すると、その鯉のぼりが紫色に光って、少しだけ動く。
まるで、この鯉のぼりには生命があるみたいだ。
甚太郎「さっきはありがとうね。僕を守ってくれて。後ね。
ぶっ殺して欲しい奴がいるんだ。そいつは・・・・。」
BAR基地の司令室で、
大神が隊員たちに向かって、こう言う。
大神「先ほど、大鳥小学校の生徒から、電話があってのォ。
その情報によると、鯉のぼりに襲われたそうなんじゃ。」
日下部「鯉のぼりに襲われた?」
上川「鯉のぼりって無生物ですよ?
その無生物がどうやって人を襲うんですか!?」
大神「わしもその詳細がわからんが、とりあえず、
鯉のぼりがフワフワ浮かんで、食べようとしたそうなんじゃ。
幸い、全員無事であったそうだが・・・・。」
緒川「その鯉のぼりについて調べてきたんだけど、
どこから来たのか、全く謎だわ。
と言うか、全てが謎らしいのよ。」
叶野「・・・もしや、また魔獣の仕業では・・・?」
大神「そうかも知れんき。灰間!日下部!
至急、バルターボで大鳥町を調査するんだ!!
レーダーで探せば、何かがわかるかも知れん!」
灰間と日下部「了解!!!」
灰間と日下部はバルターボで、夜の秋田町を調査した。
運転は日下部が行っている。
日下部「でも、不思議よねェ。鯉のぼりが人を襲うなんて。
元々、
鯉のぼりが人を喜ばせるための存在のハズなのに・・・。」
灰間「そうだな・・・。もし、
その鯉のぼりが魔獣であるとすれば、
奴らはまた恐ろしい事を考えているに違いない。」
日下部「そうね。一刻も早く探さなきゃ。」
その時、灰間のペンダントが光る。
灰間「・・・・・っ!?目の前に、何かが来るぞ!!」
日下部「え・・・?あっ!!あれは!!」
走るバルターボの前に、何かが近づいて来た。それは、
紛れもなく鯉のぼりであった。
その鯉のぼりが宙に浮かんで、
バルターボに近づいて来たのだ。
灰間「こ、鯉のぼりだ!!!」
日下部「空を飛んでいる!!
もしかして、命を持っているって言うの!?」
つづく
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