灰間「わ、悪かったな。たまには俺が早く来る事も、
少しはあるだろうよ・・・。」
日下部「まあ。そう。それより、この後。大神隊長のお呼びで、
今すぐ司令室に来いとの事よ。寄り道は駄目よ?」
灰間「そうか・・・。(そうだな。本当はやりたくねーが、
爆弾をどこに設置すれば良いかわかんねェし、
この際、隊長に基地の事を聞いてみるか・・・。)」
こうして、灰間と日下部は一緒に司令室へと向かった。
司令室に集まった大神隊長と4人の隊員。
大神「我々は魔族と日々、戦っている。その魔族は、
今まであらゆる異変を起こして、地球を襲って来た。そこで諸君。
最近、君たちの周りに異変とかはないか?」
叶野「隊長は何かの異変を魔族の仕業と思われようになったのですか?」
大神「うむ。魔族は地球上にあらゆる仕掛けを使って、
異変を起こし続けておる。今回もまた、
魔族は何かを企んでいるとわしは考えている。」
灰間「・・・・隊長!」
大神「何じゃい?灰間。」
灰間「・・・・この基地に火薬倉庫とかはありませんか?」
大神「火薬倉庫じゃと?その倉庫なら地下のエリアCにあるが、
その倉庫に何か用があるのか?」
灰間「いえ・・・。どのような物か見てみたくて・・・・。」
大神「そうかぃ・・・。」
灰間「では、少しだけ行ってもよろしいでしょうか?」
叶野「数分以内に帰って来い。火薬倉庫など、本来。
お前のような子供が来る場所ではないからな。」
上川「勝手にいじると危険だから、注意してね。」
灰間「はい・・・。では。」 灰間は暗そうに司令室から出た。
そして、大神と叶野はコンピューターのモニターの方を見る。
叶野「・・・・・隊長。灰間隊員は・・・・。」
大神「うむ。じゃが、まだ真実と言うワケではない。」
灰間はBAR基地の地下の廊下を歩いていた。
その時、グランテラの声が響く。
グランテラの声『火薬倉庫とは、
さっそく良い事を言ったじゃないか。ティアーズ。』
灰間「うるせェ。こうでもしないと母さんを返してくれねェだろ?」
グランテラの声『そうだ。だが、その前に俺たちは、
BARの科学の源を奪いたい。
その源を生んでいるエリアも見つけて来い。』
BARの科学は必要だ。その科学の情報を探らずに、
BAR基地を爆破すれば、お母さんは返してあげないぞ?』
灰間「いちいち指図しやがって・・・!やりゃァ良いだろ!?やりゃァ!!」
緒川の声「何を一人で怒鳴っているの?」
灰間「っ!?お、緒川さん・・・・?」
灰間は後ろから緒川の声がしたので、その後ろの方に向く。
そこに、緒川がいた。
緒川「こんなところに来て、どうかしたの?」
灰間「あ、ああ・・・。ちょっとあんたに聞きてェ事があってな。
BARは魔獣に対抗するためのシステムが造られただろ?
そのシステムのあるところへ行きてーんだけど。」
緒川「あら。調度良いわ。私もそこへ行こうと思ったの。
連れて行ってあげる。」
灰間「わかった。」
こうして、灰間は緒川の案内で、
対魔獣用のシステムのある部屋へ向かう。
そして、灰間と緒川は高度な科学で造られた機械だけの部屋に来る。
中央には大きなタワーのような物もある。ここが、
対魔獣用のシステムが搭載されている部屋である。
緒川「このシステムのエネルギーが、他の部屋の機能に繋がっていて。
BAR基地が生きているの。さらに、BARワンダーが、
今でも存在できているのも、このシステムのおかげよ。
私はそのシステムの様子を調べるために来たの。」
灰間「そうか・・・・。この部屋がBAR基地の心臓・・・。」
その時、またもグランテラの声が。しかも、その声は、
灰間だけに聞こえて、他人には全く聞こえない。
グランテラの声『BARを動かすシステムのある部屋が見つかったら、
ただちに部屋に発信機を付けろ。その発信に俺たちが辿る事で、
俺たちがそのシステムを見つける事ができるのだからな。ふ
ふふふ・・・。』
灰間「・・・・・・っ!すみません。緒川さん。俺はここで・・・。」
灰間はそう言いながら、部屋のドアの近くに、
グランテラからもらった発信機を付けた。そ
れに誰も気づきそうにない部分に。
緒川「灰間君・・・・・?」
灰間は地下を歩いた。そして、
火薬倉庫の入り口であるドアの方に近づいた。
灰間「ここが火薬倉庫か・・・。この倉庫の中に、
奴からもらった爆弾を付ければ・・・・!」
灰間は火薬倉庫の入り口に近づく。その時、大神の怒声が響く。
大神「そこまでじゃい!!灰間!!!」
灰間「っ!?お、大神隊長・・・・!?」
灰間は驚き、恐る恐る後ろへと向く。
そこには、大神と隊員たちがいた。
大神「灰間・・・。ワレ。火薬倉庫に爆弾を仕掛けようとしたな?」
灰間「な、何故それを・・・・!?」
大神「オドレのポケットにある爆弾を出さんかい!!!」
灰間「・・・・・・っ!!」
灰間は大神の怒声に驚き、震えながらポケットから爆弾を出す。
灰間「何で・・・。この事がわかったんですか・・・!?」
大神「この基地の全ての部屋に、魔族エネルギーの反応を、
キャッチできてのォ。そのエネルギーを発する物なら、
すぐにでも発見できるき。魔族には、こ
の基地を密かに攻略する事は不可能だ。
灰間。おどれの持つ爆弾には魔族反応があった。
わしらは最初からそれに気づいた。」
叶野「気づいたから、ワザと行かせてやったが・・・。
なるほど。このザマか。」
上川「灰間君・・・。何か、ワケでもあるの・・・・!?」
日下部「灰間・・・・!あんた、
自分が何をしているのかわかってる!!?」
灰間「あんたらには・・・関係ねェだろ・・・・。」
大神「あるわぃ!!灰間・・・!ワレはわしら大人に負けない、
正義の心を持っているハズ。と、言う事は・・・!
ワレは魔族に何かされて、奴
らの奴隷にならざるを得なかったそうだ!
言ってくれ・・・・!ワレは魔族に何をされた!?何か、
わしに協力できるような事があったら・・・言ってくれんか!?」
灰間「ぐ・・・・・っ!!」
灰間は黙り込んだ。だが、徐々に震えが止まらず。
灰間「言えるワケがねェ・・・!あんたらに余計な事をさせたら、
俺の大切な人が死んじまうんだよォ!!!」
灰間は激情したかのように、
爆弾を火薬倉庫のドアの近くに投げつけ、
どこかへと走り去った。
日下部「あっ!!待ちなさいよ!!」 大神「ほっとき。」
上川「けど、隊長・・・・!」
つづく
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