ゴダル「何・・・・?」
シャドー「それは、夢の国の使いとしての、
もう一つの使命・・・・人々に夢を叶えるためだったの。」
ゴダル「・・・・その台詞。モモもほざいていたな。」
シャドー「そうよ。だから・・・・。このまま何もできないで、
また地球から離れるなんて嫌よ。せめて・・・。
あなたの夢を叶えてあげたいの・・・・っ。
このままじゃ・・・・何のために地球に戻ったか、わからないよ。」
シャドーは涙目でそう言う。とても切ない表情であった。
ゴダル「シャドー・・・・・。ふん。勝手にしろ。」
ゴダルはそう言って、DGC本部へ目指して歩いた。
シャドー「・・・・・うん!」 シャドーは嬉し涙を流しそうな目で、
ゴダルについていく。その時、ゴダルはシャドーにこう問う。
ゴダル「・・・・もし、冥界を変える事ができたら、
お前もその冥界へ行くか?」
シャドー「・・・・行くわ。だって、あなたの故郷でしょ?
・・・・なんらな、いっそ住んじゃって良い?」
シャドーは明るく答える。ゴダルは静かにこう答える。
ゴダル「・・・・変な奴に襲われない程度でな。」
どうやら、ゴダルはシャドーを冥界へ住ませてくれるそうだ。
シャドー「やったw」 シャドーはそれを聞いて、喜ぶ。
ゴダル「・・・・・そろそろ行くぞ。」 そして、二人は立ち止まる。
外では二人が接近している事を知らない司令室の隊員たち。
モモ(・・・・コリス。) コリス(隊長?)
モモはいきなりコリスにテレパシーを送って、こう言う。
モモ(シャドーとゴダル。二人には事情があって戦ってたわよね?
でも、何故あんな酷い事をしているのか・・・。
シャドーはこの世界に夢を満たすために、
ゴダルは冥界を変えるため。
なのに、その方法は間違っている。何故だと思う・・・?)
コリス(な・・・何故って・・・・。)
モモ(・・・・シャドーさんは元々、あなたの知ってるような、
悪党ではなかったのよ。
ゴダルだって本当は悪党なワケではなかったでしょ?)
コリス(・・・確かに、彼はただ平和を知らないだけで・・・。
冥界を変えたいだけであんな事を・・・。)
モモ(私の考えだと、これは誰かが仕組んだと思うの?)
コリス(え・・・・!?だ、誰かが・・・・!??)
モモ(それはモモにもわからない。
だって、今更思いついたもん・・・。)
コリス(い、今更って・・・・;)
モモ(とにかく、あの二人は元々、悪さをするべきではないと思うわ。
やはり・・・誰かに操られたような・・・・っ。)
コリス(誰かに・・・・操られて・・・・・・。)
その時、二人の脳裏に、ゴダルとシャドーの声が響く。
シャドー(モモ・・・・・。) ゴダル(コリス・・・・。)
コリス&モモ(っ!!!??) 二人はその声に驚く。
モモ(シャドー・・・・!もしかして、この基地に近くに!?)
シャドー(そうよ。そろそろ終わりにしようと思ってね。)
ゴダル(コリス・・・・いや、ウルトラマンクリスタル。
姉のモモと一緒に外へ来い。そして、僕らだけで会話しよう。)
コリス(・・・・わかった。そろそろケジメを着けなきゃならないね。)
そして、コリスとモモは司令室から出ようと歩く。
サキ「あら。二人とも、どちらへ行かれるですか?」
モモ「・・・・ちょっとパトロールに行こうとね。」
サキ「そうですか。それでは、お気をつけて・・・。」
そして、二人は司令室から出た。
本部の外で、コリスとモモはゴダルとシャドーと会った。
モモ「昨日、私たちがあんたたちのアジトを襲撃したからって、
今度はあんたたちが私たちのアジトを襲って、
仕返しする気?」
シャドー「・・・それも悪くないわね。だって、
ここが最終決戦の場だし。
もうウンザリなのよ。あんたたちとの喧嘩は。」
ゴダル「コリス。今日こそお前の力をもらう。
その力を手に入れるまで、僕は何度でもお前を追い続ける。
たとえ、あの世に行ってもな・・・・っ!」
コリス「・・・・ゴダル!シャドーさん!」
シャドー「何よ?」 ゴダル「何だ?」
コリス「・・・・こんな事が本当にあなたたちの望んだ事ですか!?」
シャドー「はぁ?何を今更・・・・っ!」
コリス「姉さんから聞いたけど、あなたは本当は、
あんな悪い事をしない程の人だったのでしょう?
一体、何があなたをこうしたのですか!?」
シャドー「それを知ってどうするの?どうせ、
何もわかってくれないクセに・・・・っ!」
コリス「確かに、僕にはあなたの気持ちがわからない・・・・。」
モモ「でも、私にはわかるわ。あなたは現実を恐れる、
ただの気の弱い子だったわ。それが、今やただの悪党・・・。
そんなに、現実が憎いの!?そんなに現実が怖いの!?」
シャドー「五月蝿い五月蝿い!!!
じゃあ、あんたは現実が平気だっての!?」
モモ「・・・・いえ、私だって現実を恐れている。けど、
その現実に立ち向かう勇気を持つべきだと思うの!」
ゴダル「現実?勇気?僕にはどうでも良い事だ。」
コリス「・・・・ゴダル!君だって・・・・本当は、
こんな事をしないつもりだっただろ!?」
ゴダル「何を言う?僕はそのつもりだが・・・?」
コリス「・・・・君の両親が優しければ、君も僕と同じなのかな・・・。」
ゴダル「何だとォ?お前と同じ・・・?ふざけんなよ!!」
ゴダルは怒り、コリスの胸倉を掴む。
コリス「・・・・君は平和とか幸せとか、そう言うの望んだ事あるの?」
ゴダル「平和?幸せ?知らんなァ。
大体、僕の冥界にそんなのあるワケない。
冥界に幸せも平和もいらん。
そして、この人間界もな!!知ってるか?
永遠の暗さを。そして、地獄の恐ろしさを・・・・っ!
地獄に落ちた人間の末路がどんなのか、お前にわかるのか!?」
コリス「・・・・僕にはわからない。でも。もし、
君がそんな恐ろしい事を恐れているなら、僕が何とかする!!」
そして、コリスの胸倉を掴んでいるゴダルの両腕を手で払いのける。
コリス「そして、僕は君を助けようと思う!」
ゴダル「助ける・・・?それはありえないなァ。」
モモ「だって、あんたたち。もしかして、
誰かにそそのかれたんじゃないの?」
シャドー「そそのかされた?
・・・そんな事、聞いてどうするつもり?」
モモ「そいつを倒して、あんたたちを悪の道を救うつもりよ。」
ゴダル「まるで話が噛み合えんなァ。」
シャドー「言っておくけど、私。
あの方の侮辱は許さないつもりだけど?」
コリス「そこまで言っても、わかってくれないのかぃ・・・?」
ゴダル「当たり前だ!!僕はお前らのような幸せや平和を、
満喫している奴等を許さないからな!!お前らも、
かつての大戦で倒した奴等のように、
地獄に落としてやるよォ!!!!」
コリス「・・・・だったら、僕が平和と幸せ・・・。
そして、夢と希望を教えてやるよ!!!!!」
シャドー「いえ!残念だけど、ゴダルの夢を叶えるのは私よ!!
これ以上、私の邪魔をする事は命を落とす事になるわよ!!!」
モモ「・・・・・どうやら、拳で戦うしかないそうね。」
コリス「・・・・・っ。ゴダル。もう、君とは戦いたくない・・・。」
ゴダル「コリスううぅぅぅ・・・・・!!」
そして、コリスとゴダルは同時に変身を開始した。
ゴダル「暗黒・・・・・!」
コリス「ショワッチ!!!!!」
ゴダル「装着!!!!!!」
コリスはウルトラマンクリスタルに変身し、
ゴダルは黒い鎧を身に纏った。
二人とも、等身大で戦おうと走り出す。
ゴダル「行くぞおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
ウルトラマンクリスタル「はああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
両者はいきなり蹴りを出す。互いのキックがぶつかり合う。
そして、互いの足が離れると、次はパンチが出る。
ウルトラマンクリスタル「ショワ!!」 ゴダル「・・・・・・!!」
今度は二人の拳がぶつかる。二人は激しい格闘を続けるが、
両者とも、一発もヒットしてないそうだ。
モモ「す・・・・凄い!まるで、
どちらかの打撃が決まれば、勝敗が決まるワケね・・・!はっ!!」
その時、二人の戦いを感心しているモモは、
シャドーが水をさすような行動をしようとするところを見た。
つづく
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