モモは電話で宇宙人が出現したとの報告を受けて、驚いた。そして、隊員たちも。
とある都市では、星人の出したダークタブークレイジーガスによって、
空が暗黒の闇に覆われていた。この闇からはワイリー星の人たちの、
怒りや悲しみの声が響いていた。そこの人々はほとんどがその声を聞いて、
発狂したり、倒れたりしていた。残りの人たちはガスを浴びないように、
それぞれ家や建物に入って外出せずに引きこもった。だが、そんな多くの建物を、
ワイリー星人が大暴れして壊し続けていた。まず、小さな民家を踏み潰し爆発させ続ける。
ワイリー星人「ボアアアアァァァァォォォォォォ」
ワイリー星人が拳を振ってビルを叩き壊す。残っている下の部分も蹴って壊す。
ワイリー星人「パフィイイイイィィィィィィィ」 ビルを壊した星人はさらに、
近くの別のビルを思いっきり殴って破壊。そして、両目と頭の角から3つの光線を発射して、
少し離れたところの民家を多く爆発させた。被害が拡大するばかりだ。
ワイリー星人「ボォォアアアアァァァァォォォォォ」 星人は次に一つの民家を蹴り上げ、
吹き飛ばしてしまう。その民家は地面に落ちると爆発を起こしてしまう。
「わあぁぁぁ~!星人だあぁぁぁ!!」 「逃げろ逃げろおぉぉぉ!!!」
異星人が暴れていると聞いた人々は逃げようと、それぞれ民家から出た。
しかし、その人々は今や危険な状態の外に出てしまったので、黒いガスの効果を受けた。
「ヒ、ヒイイイイィィィィィ!!!!」 「わぴゃああぁぁぁぁ!!!!」 ガスを浴びた人々は、
突然、狂って動き回ったり頭を抑えて悲痛な声を苦しんだり変な顔をして倒れていたりもした。
「ぐっ!グルルルルルルル!!!」 「コルァアアアアァァァァァァァ!!!!!」
しかし、中にも我を忘れて怒りを露に走っていく人たちもいた。
その人たちは星人の方に向かっていた。恐らく、ガスの効果で星人をさらに許せなかったのだろう。
ワイリー星人「ボォアアアアァァァァァァォォォォォォォ」 ガスの中で自分たちの、
憎しみと切なさを感じてそれを許せず怒り狂った人たちがこちらの方に、
向かってくるところに気づいたワイリー星人は口から花火状の火炎でその人たちを攻撃する。
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 花火状の火炎にあたった地面が爆発し、
その近くにいた人たちは爆風を浴びたか吹き飛ばされたり倒れたりしていた。
DGC本部の指令室で、モモたちはスクリーンで星人が暴れているところを見た。
モモ「く・・・・・っ!シュドーとテブリッシュはスカイラッシュで出撃!
イチゴはロードラッシュで地上から支援攻撃に出て!!」
シュドー、テブリッシュ「了解!!!」 イチゴ「了解!でも・・・・サキちゃんは・・・・?」
モモ「サキなら・・・・・・・。っ!?」 その時、一人の科学スタッフが慌てて入ってきた。
科学スタッフ「大変です!!サキ隊員がスカイラッシュ1で勝手に出撃しました!!」
モモ「なんですって!!?」 モモと隊員たちはサキが勝手にスカイラッシュに乗った事に驚く。
イチゴ「サキちゃん・・・・・・。なんでスカイラッシュ1で・・・・・・何か違う目的に使ってるような・・・・。」
モモ「だとしたら・・・・。彼女はまたコリーム博士のところへ向かったそうね。
恐らく、自分のパパを元凶だと思って怒りをぶつけに来たのかも知れないわ。
でも、心配してる場合じゃない。あなたたちは戦闘に優先して!
シュドーとテブリッシュはコプター・ラッシュで出撃!イチゴはロードラッシュで地上から支援!!
では、出動!!サキ・・・・・そして、コリスの事なら・・・・私に任せて・・・・・!!」
シュドー、テブリッシュ、イチゴ「了解!!!」 こうして、イチゴは地上よりロードラッシュで出動。
シュドーとテブリッシュは前回より初登場したコプターラッシュで出撃した。
一方、暗黒の空を飛んでいる一機の戦闘機があった。それがスカイラッシュ1である。
その一号機のパイロットはサキであった。
サキ「・・・・・父さん・・・・・・!!」 どうやらサキは宇宙観測機関のメキシコ支部へ、
向かっているそうだ。何故なら、今のサキは父さんの事で頭がいっぱいだからだ。
サキはどうしても父を許すことができず、ついに我慢の限界で父の元へ向かっていたのだ。
ここは、国際科学防衛局の宇宙観測機関のメキシコ支部の、
ロケット発射場である。そこには、コリーム博士が働いている観測所があった。
そして、スカイラッシュ1がその発射場へと着陸していった。
観測所の部屋では、研究員たちが外が危険なために非常に困っていた。そしてコリーム博士も。
コリーム博士「むう・・・・。ワイリー星人め・・・・!この美しい地球を、
ダークタブークレイジー物質の含んだガスで覆いおって!実にけしからん!!」
研究員「外ではそのガスで覆われているので、外出はとても危険です。先ほど、
多くの仲間たちもあのガスを浴びて、精神崩壊しましたからね。」
「それだけではありません。中には怒り狂って暴れだした者もいましたぞ。」
「仕方がないんだよ。彼らは元々怒りっぽい奴らだったし・・・・・。科学者だけに・・・・・。」
コリーム博士「奴らめ・・・・!調子に乗りおって・・・・・!!」 その時、突然入り口のドアが開いた。
サキの声「・・・・・彼らに調子に乗らせて怒り狂わせたのは・・・・あなたよ。」
コリーム博士「っ!?今のは・・・・!??」 コリーム博士はいきなりサキの声が聞こえたので、
混乱しかける。そして、後ろを見てみるとそこにサキがいた。
サキはこの観測所の部屋に入って、いきなり後ろから父のコリーム博士に声をかけたのだ。
コリーム博士「っ!?サ・・・・サキ!!貴様・・・・・!!」
研究員「また来やがったのかよ!!」 「うざってぇ女め!!」
サキ「・・・・・・・あなたの造ったMA1号のせいで、ワイリー星人は自分の星を荒らされた。
彼は怒りと悲しみでこの地球に復讐に来たわ。星人はウルトラマンクリスタルを倒し、
恐るべしガスでこの星を恐怖に陥れ、多くの人々が不幸になりつつある・・・・・。」
コリーム博士「だからどうした?一体何を言いたいのだ!?」
サキ「・・・・・っ!あなたのせいよ!!!!!」 サキは物凄い叫びで怒鳴った。
コリーム博士「ぬっ!?な・・・・なにぃ・・・・!?」
サキ「あなたのせいで・・・・・。あなたがあんなふざけたロケットを造ったせいで・・・・・!!!!」
コリーム博士「っ!!あんなふざけたロケットではない!!!!!」 パチイィ
コリーム博士は自分の造ったMA1号の悪口を言われたので、怒ってサキを殴ってしまった。
サキ「きゃ・・・・・っ!!・・・・・・っ!!!」 サキは殴られて、後ろの方に扱けた。そして、
目から涙が少し出ながら怒りと悲しみの交わった顔でコリーム博士を見つめる。
コリーム博士「私は人類の宇宙進出のために一生懸命尽くしているんだぞ!!
それなのに、貴様はその使命を馬鹿にする気か!!?」
サキ「じゃあ、星人に支配されて宇宙進出できなかったらどうするのよ!!!
あなたはいつもそうよ・・・・・!目的のためなら手段は選ばない・・・・!
そのせいで、母さんはもう死んじゃったのよ!?それなのにあなたは、
そんな母さんの事をちっとも思ってなかった!私はあなたの子なのよ!?
それなのに・・・・あなたは・・・・・・!どうして!?どうして私の気持ちも・・・・・!!」
コリーム博士「わかったら研究が遅れる!!人類が宇宙へ進出するには、
時間が必要なのだ!!一刻も早く研究を進めなければ意味がない!
そのためには、お前などに構っているヒマがないのだ!!」
サキ「だから、私はあなたが嫌いなのよ!!そのせいで母さんが死んだって言ったでしょ!!?
あなたは・・・・・母さんの事を思ってないなら何故結婚したの!!?
そんなに自分の都合に優先したいなら何故、母さんに私を産ませたの!!??」
コリーム博士「っ・・・・!?う・・・五月蝿い!!実に五月蝿すぎるぞ!!」
サキ「うるさくなんかない!!本当の父親なら、娘の我侭を、
うるさくても聞いてくれるはずよ・・・・・!あなたも私の父親だったら・・・・・!!!」
コリーム博士「それがうるさいと言ってるんだよ!!どこまでも自己中な愚か者が・・・・・!
もうお前とは一切関わらん!!もう二度と私の前に現れるなっ!!出て行けぇ!!!」
サキ「・・・・・・・っ!!!あなたなんか・・・・・・星人に殺されちゃえ・・・・・・・っ!!うう・・・・!」
サキは涙を流しながら、観測所から出て行った。
コリーム博士(・・・・何が娘か!何が父親か!何が星人に殺されちゃえか・・・・・!!
サキ・・・・!私はな・・・・・本当はな・・・・・。だが・・・・目的にために私は・・・・・・!!)
研究員「・・・・博士!このガスを止められる術はないのでしょうか・・・・?」
コリーム博士「・・・・・・・・・。ならば、ガスのエネルギーを集めてこっちに持ってきてくれぬか?」
研究員「ええっ!?でも、どうやって・・・・・!?」
コリーム博士「機械でガスを吸うだけでいい。そのガスのエネルギーを調べたいのだ。
星人の野望を食い止めるためにもな・・・・・・っ!!」
一方、サキは観測所から出て、ガスから出る悲しみの声を聞いて、走りながら泣き叫んでいた。
サキ「ああぁぁぁぁぁ・・・・・!!うああ・・・・わああぁぁぁぁぁ・・・・・・!!!!」
サキは泣き続けていた。何故なら、父に捨てられ、もう彼の娘でなくなってしまったからだ。
サキ「ぐす・・・・!ぐす・・・・・ぐす・・・・・っ!!・・・・・うあっ!!」
そして、サキは急に胸を押さえて倒れた。やはり、この暗黒のガスからの、
怒りや悲しみの声や憎しみや切なさの感情の恐怖に耐えられなかったのだから。
サキ「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・。ううう・・・・・。とうさん・・・・・。かあさん・・・・・・・・。」
サキは意識がなくなったせいか、両親の名を呟きながら目を閉じていった。
サキは今、眠りについていた。今、彼女を救える者はいるのだろうか
サキ(・・・・それは遠い昔の事だった。それは私がまだ幼い頃・・・・・・。
父さんは科学に熱中してて、私と母さんは・・・・・貧しい生活を送っていた・・・・・・。)
これは、サキが幼い頃の記憶の世界である。ここからが、サキの過去が明らかになる。
つづく
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