そして、コプターラッシュから次々と隊員たちが降りた。
そして、隊員たちは黒い煙の近くにいた。そこでコリスは心で呟く。
コリス(この煙・・・・いや、この闇の中に・・・・何かおぞましい感情が宿っている・・・・!)
イチゴ「では、コリス君。・・・できるね・・・?MA1号の事も忘れないで。」
コリス「・・・・やってみます・・・・・!」
シュドー「気をつけろよ!なんせ、宇宙の星の物質でできてるんだからな。」
テブリッシュ「どんな効力を持つかわからないが、慎重に行ってくれよ。」
コリス「はい・・・・・・・!」 コリスは黒い煙の方へ歩いていった。それを見たサキは静かに呟く。
サキ「・・・・コリス君・・・・・・。」 そして、コリスはとうとう黒い煙と接触し、その煙の中に入っていった。
まるで、闇の中に消えるように。この黒い煙に消えたコリスの健闘を祈る隊員たちであった。
ここは暗い闇。・・・と言っても、黒い煙に包まれた街と言っていいだろう。
しかし、これだけではない。この闇の中には何かの呻き声が聞こえていた。
泣き叫ぶ子供の声、憎しみの声、怒りと悲しみの声などが街中に響いていた。
さらに、この闇の中ではあらゆる邪悪な感情を感じてしまうのだ。
憎しみと悲しみの感情、寂しさの感情、鬱の感情など様々なタブーな気持ちを、
肌で感じ取ってしまうのだ。この闇はまるで恐怖の世界だった。
つまり、この闇の中に入った者はマイナスの感情を、
特にまるで、それらの感情を持つ者にう恨まれるような感じをしてしまうのであった。
そんな闇の世界に入ったコリスはこの世界の様々な声を聞き、様々な感情を感じて今でも、
倒れそうになるが、必死に立ち上がろうとしながら、手と足を動かして前へ進んでいった。
コリス「くぅ・・・・っ!う・・・・!聞こえる・・・・どこかの星の人たちの泣いてる声と・・・・・、
怒りの声が・・・・・・!!そして、その人たちがまるで僕に憎しみをぶつけていく感じが、
この全身に響くように感じる・・・・・!!!このままでは、僕自身が壊れそうになる・・・・でもっ!!!!」
コリスは耐え抜くように立ち上がった。そして、左腕のウルトラウォッチを光らせ、上に出した。
コリス「シルド!!!」 コリスがそう叫んだ時、彼の周りのドーム状の透明のバリアが出てきた。
これは、防御魔法・シルド。あらゆる攻撃や波動から身を守るバーリヤ魔法である。
コリス「よし!声が五月蝿く聞こえるそうだけど。さあ、MA1号の方へ急ごう!!」
コリスはMA1号へ進もうと走った。コリスが走る同時にバーリヤもコリスを囲んだまま移動した。
そして、バーリヤに身を守られながら走り続けたコリスはとうとうMA1号に近づいた。
コリス「っ!ここにMA1号が突き立っていたのか・・・・・!!よーし、さっそく調べよう!!」
コリスはMA1号の調査に取り掛かった。MA1号の機体を見ようと周りを歩いて見た。
コリス「・・・っ!?」 すると、コリスはMA1号の機体に見知らぬ物が貼り付けられているのを見て、
驚く。それは、黒い小型の機械であった。その機械に付いている大きなランプが、
赤い光を光らせていたが、ピーッピーッと音が鳴る同時に光が出たり消えたりしていた。
コリス「・・・なんだろ?この機械・・・・・。MA1号にこんなの付いてたっけ?」
コリスは黒い機械に触れる。この小さな機械はランプの点滅以外特徴はないらしい。
コリス「・・・・・取れるかな・・・・・・?えぃ!!」
コリスはMA1号に付いているこの小型の機械が取れるかと思って、
機械を取り出そうと引っ張るが、見事、小型の機械は取れて、コリスの手に入った。
コリス「あ・・・取れた・・・・。・・・・っ!!?」 コリスは気づいたのだ。
自分の周囲のドームが消えかかっていくではないか。一体何故、消えかかっているのだろう?
コリス「バリアが消えかかっていく・・・・!これもこの黒い闇の力なのか・・・・・!?
とにかく急いでここから出なきゃ!!!」 コリスは機械を持って急いでここから出ようと走った。
黒い煙の闇のエネルギーがコリスのバリアの力削っていると言うのか。
黒い煙の近くでは、隊員たちがコリスを待つように立っていた。
シュドー「コリスの奴・・・・。うまくやってるのか・・・・!?」
テブリッシュ「このまま何もなければいいのだが・・・・・!」
サキ「・・・・・・・・。」 サキは見つめていた目の前の黒い煙の中の闇を。
そして、目の輝きが消えかけ、サキは何故かその黒い煙の中へ向かおうとゆっくりと歩き出した。
イチゴ「っ!?サキちゃん!!?」 イチゴがそんなサキを見て、彼女を止めようと声をかける。
シュドー「どこ行くんだ!サキ!!」 テブリッシュ「止めるんだ!この煙に入ったら・・・・!!」
二人も声をかけるが、その声も空しくサキはとうとう黒い煙の中に入っていった。
イチゴ「ああ・・・・!入ってしまった・・・・・!」 サキは黒い闇の中に消えていった。
それにしても、サキは何故、あの黒い煙の中に入りたかったのだろうか・・・・?
ここは、黒い煙に包まれた街。この闇の中にサキがいた。しかし、
サキは凄まじい恐怖に怯えていた。そして、頭を抱えて、両膝をついた。
何故ならサキは今、憎しみや悲しみの声を聞き、様々な残酷の感情を感じているからだ。
サキ「ひ・・・っ!うう・・・・・!!い・・・・いや・・・・・!やめて・・・・・・!!!」
物凄い怯えようのサキだが、彼女の目の前には、何か恐ろしい紫の物がいた。
サキ「ひいぃっ!!」 その物は、次第にサキに近づき、やがて、怪物の顔となった。
怪物?「パフィイイイイイイィィィィィィィィ」 怪物?は口を大きく開けてサキを食べようとした。
サキ「い・・・・嫌あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
サキは物凄い叫びとともに、すぐに黒い闇の中から出た。しかし、サキが見た怪物は幻覚だった。
シュドーとテブリッシュ「っ!?サキ!!!」 イチゴ「サキさん!!」
3人は黒い煙の中から出たサキに近づく。今の彼女は倒れそうで頭を抱えながら怯えていた。
サキ「あ・・・・!あ・・・ああ・・・・・・・!!」 イチゴ「何があったんだ!サキさん!!」
テブリッシュ「もしや、この煙の中に何かがサキを・・・・!?」
シュドー「よーし・・・・っ!俺も入って調べてやる・・・・・!!」
シュドーも黒い煙の中に入ろうとするが、その煙の中からコリスの声が響いた。
コリスの声「この煙の中に入ってはいけない!!!!」 シュドー「っ!?」
コリスの言葉を聞いたシュドーは急に止まった。そして、黒い煙の中からコリスが出てくる。
コリス「うはっ!はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・・。」 しかし、コリスも倒れそうで息苦しそうだった。
テブリッシュ「コリス!大丈夫か!?」 テブリッシュとイチゴはコリスに駆け寄る。
イチゴ「一体、あの煙の中で何が起こったの!?」
コリス「・・・・あの煙の中は・・・まるで闇の世界でした・・・・・・。その中には、
怒りと悲しみの声が響き、憎しみと寂しさの感情を感じてしまう・・・・!
それらはまるで、入ってきた者を襲うように・・・・・!!」 コリスは声が荒れながらも喋った。
シュドー「マジかよ・・・・・!?」 そして、サキも立って、冷静に言った。震えが残っているが・・・・。
サキ「私も感じたわ。・・・あの煙に入った者はまるで怪物のような幻に襲われる感じがするの・・・・。」
テブリッシュ「・・・・とりあえず、この忌まわしい煙の中には入ってはいかんというわけだな?」
コリス「はい。それに・・・・MA1号にこんなものも張り付いてありました・・・・!」 ビーッビーッ
コリスは黒い小型の機械をイチゴたちに見せる。ランプの光が未だに点滅している。
シュドー「こ・・・こりゃぁ・・・・!!」 テブリッシュ「こんな部品、MA1号に付いていたのか!?」
イチゴ「いや・・・・・!これは、宇宙人が作った機械だ・・・・・!!」
シュドー「なんだとぉ!!?宇宙人の奴、MA1号に妙な工夫をしやがって・・・・!!」
そして、黒い機械のランプの光が完全に消えた。もう光は出せないだろう。
コリス「っ!!?」 イチゴ「・・・・っ!?機械のランプの点滅が止まったぞ・・・・・?!」
テブリッシュ「壊れたのか?とりあえず、この機械を基地に持ち帰って調べるとしよう!!」
夕日、DGC基地の本部の司令室では、コリスが持ち帰った黒い機械の解明を行おうとした。
モモ「ふーん。これがMA1号に付けていた変な機械ねぇ・・・・・。」
テブリッシュ「はい。・・・・・一体どんな機能を持ってるのかはさっぱりわからなくて・・・・。」
シュドー「なんかピコピコしてるみたいですよ。」
モモ「へぇ。こんな時こそ、エリート科学者のエヴィン君をお呼びしたんだけど・・・・。」
第4話に出てきたエリート科学者のエヴィンが既にこの部屋にいた。
彼もコリスの持ち帰った黒い機械について深く考える。エヴィン、久しぶりの登場である。
エヴィン「ふーむ!これは・・・・・解体すれば、数分くらいでわかります。
研究室で解体作業しますから、少し待っててください。」
モモ「わかったわ。では、頼むわ。」 モモからそう聞いたエヴィンは司令室から出て、
研究室へ移動して解体作業に入ろうとした。サキは落ち込んだ声でモモに言う。
サキ「・・・・・モモ隊長・・・・・。」
モモ「どうしたの?」
サキ「あの・・・・・。少しプロダクションに行ってもいいですか?」
モモ「プロダクション?・・・・ああ。あんたの所属していた歌のプロダクションの事ね。」
サキ「はい。そこに私の仲間がいる。・・・・あなたはそう言いたかったのでしょう?」
モモ「あ、そう言えば昼間あんな事・・・・・。うん・・・・。じゃあ、行っていいわ。2ヶ月ぶりだしね。」
サキ「・・・・ありがとうございました・・・・・・。」 サキは落ち込んでそうに司令室から出た。
コリス「・・・・サキさん・・・・・・。・・・・隊長。僕も・・・サキについていっていいですか?」
モモ「ええ・・・・。いいわよ?」
コリス「・・・・ありがとうございます。」 コリスもサキを追う様に司令室から出る。
夜の街。サキは人が多く、複数の車が走っているこの街を歩いていた。
サキ「・・・・確か、ここだっけ。私の所属していた【ステレオコレクター】の事務所は。」
そして、コリスはサキの後ろにこっそりついていた。
コリス(・・・・・サキさん。)
エヴィン「大変です!!隊長!!」 本部の司令室にエヴィンが慌てて戻ってきた。
モモ「解明できたの!!??」
エヴィン「はい!!あの黒い機械は・・・・発信機だったのです!!」
モモ「な、何ですってええぇぇぇぇぇ!??」 そう、コリスが持ち帰ったあの機械は、
ただの発信機だったのだ。そして、スクリーンから黒い闇に二つの赤い目が輝く映像が映る。
隊員たちはその映像を見て、驚く。モモは恐る恐る赤い怒りの目の者に問う。
モモ「だ・・・・誰よ!あんた!!」
赤い目の者『・・・・我々はワイリー星人。まず、お前らに言いたい事がある。』
テブリッシュ「ワ・・・・ワイリー星人だと!!??」
シュドー「ワイリー星・・・・!まさか、MA1号の攻撃を受けたあの星が・・・・・!!」
イチゴ「もしかして、君たちは・・・・・・・!」
ワイリー星人『っざけんじゃねぇぞ!てめえぇらあああぁぁぁ・・・・・・!!!』
モモたち「っ!!???」 モモたちは星人の突然怒り狂った声に驚く。
ワイリー星人『お前らあぁ・・・・・!!よくも・・・・よくもっ!!!
俺たちのたった一つ居場所に変なロケットで傷つけやがって!!!!
あそこには俺のような貧しい人たちや子供たちがたくさんいたんだよ!!!なのにお前らは・・・・・!
大切な人たちの命をたくさん奪いやがってっ!!!!!
貴様らには、優しさとか思いやりとかねーのかよ!!???』
モモ「た・・・・たった一つの居場所・・・・・・・!?」
つづく
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