森下「え!?またBARに行くの?」
灰間「まあ、一応。日課に近いし・・・。それに、
一種のバイトって感じでも思ってくれや。」
徳丸「本当にBAR隊員として戦うのかぃ?
灰間君はまだ、僕らと同じ中学生なんでしょ?」
灰間「確かにそうだな。しかし、こいつは俺が選んだ道だ。
俺はBARで魔獣たちと戦わなければならない。
この地球を守るために・・・。」
野口「そう・・・。少し、残念ね。」
灰間「何が残念だよ?」
野口「実は私たち。これから、皆で久しぶりに遊園地に行こうと思うの。
せっかく春休みだから・・・。ちょうど、
灰間君も連れて行こうかと思ったのに・・・・。」
灰間「そうか・・・。」
野口「後で来て良いから、今日は休暇をもらう事は・・・できない?」
灰間「・・・わかんね。今回の事件も、ヤバそうだからな。
もし、すぐに事件が終わったら、後で来てやる。別に待たなくても良い。」
森下「でも、私。翔ちゃんとも遊びたいよ・・・。」
森下は切なそうに言う。そして、徳丸も。」
徳丸「けど、君には大切な事があるんだろ?」
灰間「ああ。まあ、俺もお前らと一緒に遊びたいと思うかも知れない。
できるだけ早く事件を解決してやる。それまで、またな。」
灰間はそう言って、野口たちから離れて、BARへ向かった。
野口「・・・・灰間君、可哀想・・・・。」
野口が悲しそうな表情で呟く。
森下「何が可哀想なの?」
野口「だって、灰間君。何か捉われているみたいよ・・・。
魔獣との戦いと言う使命に。それか、
戦いと言う存在の奴隷になっているとも言えるわ。
あの時から、灰間君は何かに動かされているみたいなの・・・。」
徳丸「どれもこれも・・・。皆、あの魔族って奴らのせいだ!」
徳丸は切なそうに怒り、壁を蹴る。
徳丸「あいつらが魔獣たちを地球に送ったせいで、
それに巻き込まれた灰間君は、防衛隊に入って、
それからずっと魔獣たちと、
戦わなきゃならない運命になっちまったんだよ!!
きっと・・・!くそっ!魔族共さえいなければ・・・・っ!」
森下「そうよね。魔族のせいで、私たち。最近、灰間君と会う時間、
減っているみたい・・・。よくある青春とは、何かが違うわ・・・。」
野口「・・・・灰間君。あなたは本当に、こんなんで良いの・・・?」
街の道路を歩く灰間。
その時、そんな灰間を後ろから睨む何者かがいた。
その者は一人だけではない。3人もいる。その3人は、
どこか荒んでいるような少年、少女、中年であった。
中年「あいつがリーダーの言ってた奴か・・・っ!」
少女「どうやら、BAR基地へ向かうみてーだな。くそ。
あそこには、強くてムカツク大人共がうじゃうじゃいるしな。
うかつに襲う事はできねェよ・・・!」
少年「だったら今すぐ・・・っ!!」
少年はナイフを持ち出し、灰間を襲おうとするが、
中年に肩を掴まれ止められる。
中年「待てよ!今すぐ殺そうとすんなよ。そうなったら、
お前、犯罪者として逮捕されっぞ?おい。」
少年「だから?俺は昔から犯罪者呼ばわりされてんだよ。
自分から望んでやってねーのに・・・!だったら、
自分から進んでなってやるよ・・・・!!」
中年「リーダーの言う事、忘れた?灰間を殺すな。
気づかれずに追跡し、命令が出たらすぐに捕獲しろと。」
少女「灰間を捕える事で、私たちの計画は成功すんだよ。
それまで、我慢してろ。そうすりゃ、野望は実現する・・・!」
BAR基地の司令室に来た灰間。
灰間「おはよう。皆。」
上川「おっ!灰間君。朝から来るなんて珍しいね。」
日下部「いつもなら、遅く来るかと思ったけど。」
灰間「春休みで学校やってないんでな。
BARで働く時間が増えたからね。」
叶野「すぐに出動準備をしておけ。
異常な電磁波が活動を続けているからな。」
その時、大神と緒川が司令室に来て、
灰間たちはテーブルの前の椅子に座る。
大神「諸君!DGCからの報告により、恐ろしい事態が起きた。」
緒川「我らBARが追っている異常な電磁波にさらなる異変が起きたわ。
その電磁波の中に、生命エネルギーが含まれているそうです。」
上川「生命エネルギー!?つまり、電磁波が生きてるって事!?」
叶野「だが、分析の結果、
電磁波に生命エネルギーなどなかったハズだ!!」
緒川「確かにそうでした。ですが、何故か生命を持ち始めたんです。
そして、異常な電磁波そのものにも変化しているみたいなんです。」
緒川はコンピューターで、
異常な電磁波の反応を探し、それを分析する。
そして、モニターでは物凄い異常な反応が示していた。
緒川「大気中の電磁波の一部に、通常ではない、
異常な波長及び振幅があります。
それが、私たちの分析した異常な現象です。その波長及び振幅が、
別の物質に似たような変化を起こそうとしています。」
日下部「もしかして、電磁波が何かに変化するってワケですか!?」
緒川「はい・・・。もしかすると、
魔獣みたいな存在になり事もございます!!
変化しようとする異常な電磁波は、
ポイントJH-72の上空で活動しています。」
大神「うむ・・・!何かが起こる前に何とか阻止せねばならん!!
叶野はバルワンダー2号、
上川はバルワンダー3号で出撃せんかぃ!!!」
つづく
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