さらに、青いガスは、歩兵部隊にも攻撃をしていた。
ガスに包まれた歩兵たちは物凄い苦しみと共に、
身体が燃えてしまい、倒れる。
叶野「いかん!!魔獣め!!とうとう反撃を始めたぞ!!」
上川「自衛隊の皆さん!!攻撃をさらに強化してください!!!」
残った歩兵たちは敵のガスから逃げながら、それぞれ銃器で攻撃する。
その時、複数のステルスがミサイル一斉連射でドールックを攻撃する。
ドールック「ギュイイィィンギュイイィィィンギュイイィィィィン」
ドールックは青いガスで反撃。
ガスに包まれた複数のステルスが破壊された。
戦闘ヘリ部隊や装甲車部隊もドールックを攻撃している。
戦闘機部隊も攻撃を続けている。ドールックは、
頭部の刃からのビームで、戦闘機を複数撃墜する。
バルワンダーDXも火薬状バルカンで攻撃する。
上川「くそっ!!これだけの戦力で総攻撃しても、
全く通用しないなんて・・・!!」
叶野「まだだ!!攻撃を続けろ!!爆撃機部隊が援護に来たぞ!!!」
叶野の言う通り、爆撃機部隊が飛んで来た。
爆撃機を操縦している兵士「全機、爆弾投下!!!」
全ての爆撃機がドールックの真上で無数の爆弾を落とす。
ほとんどの爆弾により威力を受けたドールック。
だが、それでも通用しない。
ドールック「ギュイイイィィィンギュイイィィンギュイイィィン」
ドールックは4つの腕のハサミから、無数の火薬状バルカンを連射した。
複数の爆撃機がそのバルカンを受けて、撃墜されてしまう。
さらに、ドールックはその4つの腕を振り回しながら、
バルカンを連射し続ける。
周囲に魔獣の放ったバルカンが乱れ飛び、自衛隊の兵器の多くが、
それを受けて爆発してしまう。このままでは、自衛隊が壊滅してしまう。
バルワンダーDXは強力な光線を発射する。
これを受けた魔獣はバルワンダーDXの方に目をつける。
ドールック「ギュイイイイィィィンギュイイイィィィンギュイイィィィン」
ドールックは迫るバルワンダーDXに、
頭部の刃からのビームを発射する。
バルワンダーDXはそれを素早く避け、レーザーバルカンで攻撃する。
上川「アンチMエネルギーがMAXにチャージしました!!」
叶野「よーし!!こいつで決着を着ける!!
アンチMミサイル発射!!!!!」
バルワンダーDXはアンチMミサイルを発射する。だが、その時。
ドールック「ギュイイイィィィィンギュイイイィィィィンギュイイイィィィィン」
ドールックは4つの腕を前に広げる。そして、ドールックの前に、
巨大な四角い緑色の光の壁が作られる。その光の壁が、
アンチMミサイルからドールックを守る。
ミサイルが光の壁に命中し、大爆発をする。
その威力はとても強いのか、光の壁もすぐに消えてしまう。だが、
ドールックは無傷であった。これに驚く叶野と上川。
上川「そ、そんな・・・・・!!?」
叶野「アンチMミサイルが効かないだと・・・・!?」
ドールック『無駄だ!!人類たちよ!!貴様たちの戦力など、
この私には全く通じないのだ!!!これ以上、命を失うたくなくば、
我ら魔族に全面降伏したまえ!!抵抗を続けるなら、
この星の生命体を全て滅ぼしてやるぞ!!はははははははは!!!』
BAR基地では、緒川と大神がスクリーンで、
ドールックが笑っているところを見ていた。
緒川「大神隊長・・・!魔獣ドールックは、地球の戦力では、
全く通用しません・・・・!!いかがなさいましょう・・・!?」
大神「く・・・っ!!これでは、
どうもならんと言うんかぃ!?じゃが、まだ勝利はあるハズじゃけ!!
緒川!!魔獣の弱点を分析してくれ!!!」
緒川「その分析はしましたが、弱点など・・・ありません!!」
大神「な、何じゃと・・・・!!?それでは、我らは・・・。
魔獣に負けてしまうと言うのか・・・・!!!??」
ドールックの恐ろしい活躍により、絶望の雨はさらに降り続ける。
その雨を野口は切なそうに見続けた。
野口「・・・・雨の音だけ聞こえる。何だか、この町に、
誰もいない気がする・・・。お母さんも、避難しちゃったのかな?
だとすれば、ここにいるのは、私と灰間君だけね・・・。」
そう。秋田町の住人たちのほとんどは、
自衛隊に従い避難をしていた。魔獣ドールックの襲来に備えて。
中には徳丸や森下もいた。野口の両親もいる。
雨が降っているので、ほとんどの者が傘をさしていた。
だが、この中に美由紀の姿がない。
何故なら、美由紀は灰間の家に居続けているからだ。
息子である灰間をいつでもお迎えできるように。
美由紀「・・・・・・翔。」
ドールック「ギュイイイィィィンギュイイイィィィンギュイイィィン」
ドールックは自衛隊の兵器を破壊しながら、暴れていた。
これにより、次々とビルが壊れていき、
街は壊滅するのも時間の問題である。
バルワンダーDXもレーザーバルカンで攻撃を続けているが、
もはや魔獣には何も通じない。
ドールックは頭部の刃からのビームで、バルワンダーDXを攻撃する。
上川「うわああぁぁぁっ!!?」
叶野「まだだ・・・!まだ戦える!!機体の一部が損傷しただけだ!!」
命中してしまうが、この程度では撃墜しない。
ダメージを受けただけで破壊されていない。
ドールック『この市街地は壊滅に近い。
次は、秋田町とやらを襲撃してやる!!』
叶野「行かせるか!!自衛隊諸君!!
総攻撃を続けろ!!秋田町への道を塞げ!!!」
秋田町の出入り口の場所では、
大岩が二人の自衛官に話しかけられていた。
ここでは、既に多くの歩兵や、
複数の戦車や自走砲、ロケット砲が配置されていた。
自衛官A「君!!こんなところに居ると危ないぞ!!」
自衛官B「魔獣が、ここに来るんだ!!君も早く避難したまえ!!!」
大岩「魔獣がここに。そいつは良えのォ。」
自衛官A「何が良いと言うんだ!?」
大岩「魔獣は、このわしが倒し、この町を守っちゃるわぃ!!」
自衛官B「何を言ってるんだ!!
一般人の君一人にあんな恐ろしい魔獣を倒せるハズがない!!!」
大岩「黙れ!!こりゃ!!おどれらが何をほざこうとわしは戦うき!!
わしの友人も、命を落としてまで魔獣たちを戦ったんじゃ・・・!
わしも、命を落とすつもりで魔獣と戦ったるがな・・・・!!」
灰間の魂は暗い空間に漂っていた。
まだ生死の狭間から抜け出せていないのだ。
灰間(いかん・・・・!魔獣が街を破壊し、
次は秋田町を襲おうとしてやがる・・・!!
早く・・・!早く目覚めねェと・・・・!!早くティアーズにならねーと・・・・!!
あの魔獣は地球の戦力じゃ通用しねェ!!
俺が倒さねーと・・・・・!!!!)
秋田町を走り続けるバルターボの中で、日下部は涙を流し続ける。
日下部「もう・・・・!!灰間!!あんたは一体、
どこに隠れているのよ!?あんたがいないと始まらないのよ・・・!!
あんたがいないと・・・・!馬鹿・・・・っ!!
もう、いい加減に私のところに戻って来なさいよ・・・・!!!」
野口は灰間の方を見続けている。灰間はいつまでたっても目覚めない。
野口「・・・灰間君。もう、目覚めて・・・!
そろそろ起きても良いじゃない・・・!」
野口は灰間に抱きそうな感じになる。
野口「あなたはまだ生きているわ。さっきまで心臓の音も聞こえていた。
だから、起きて。起きて、私と一緒にいて・・・・!」
そう言い続ける野口の目から涙が溢れた。
野口「私たちには・・・。そして、BARには、あなたが必要なの・・・!
それから、明日の水曜日は、皆で旅行に行くハズよ!?
あなたが行かないと言うけど、
私たちは必ずあなたを連れて行くわ。だって、友達だもん・・・。
だから、お願い・・・!目覚めて・・・!!生き返って・・・・!!
あなたには生きてほしいの。私たちのために生きてほしい。
あなたが死んだら、私たちはとても悲しくなっちゃう・・・。
あなたが死んだら、
どうなっちゃうの!?私たちには、
あなたの存在が必要なの・・・。だから、
私たちのために、生き返って・・・・・・・!!」
その時、野口の目から一粒の涙が落ちる。その涙が、
灰間のペンダントにかかる。ここに、
奇跡が起きた。ペンダントから巨大な光が出た。
野口「きゃ・・・・っ!?」 野口はその光に驚き、さがる。
光が消えると、灰間の目が開き、灰間の身体がゆっくりと起き上がる。
そう。灰間は復活したのだ。野口の想いが、灰間を蘇らせたのだ。
灰間「・・・・ここは、どこだ?っ!?野口!!?」
野口「は、灰間君・・・・!目覚めて・・・くれたのね・・・・?」
野口は涙を流しながら微笑んだ。灰間の復活に喜んでいるのだ。
灰間は自分の身体の方を見る。
野口に包帯を巻かれている事に気づく。
灰間「・・・・そうか。お前、俺を助けてくれたんだな。
ずっと、前から・・・。俺を見つけて・・・。」
野口「う、うん・・・・。だって、放っておけないんだもの。」
灰間「そっか・・・。感謝するぜ。」
灰間はそう言いながら、ベッドから立ち、歩こうとする。
野口「あっ!待って!!まだ怪我しているから・・・。傷、痛むでしょ?」
灰間「もう痛みやしねェ。むしろ、完全に治っているさ。」
野口「良かった・・・。じゃあ、一緒に避難しよ!?
魔獣がこの町に来ちゃうから。」
灰間「・・・すまねーが、お前が一人で避難してくれ。」
野口「え・・・・っ!?」
灰間「俺はBAR隊員として、あの魔獣をぶっ倒してくるからよ・・・。
安心しな。俺ァもう死なねェ。だから、
俺を信じて、さっさと避難してくれ。」
野口「・・・・うん。約束だよ。」
灰間「ああ・・・・。」
秋田町では、降り注ぐ雨の中で灰間が一人だけ立っていた。
灰間はペンダントをゆっくりと握る。
灰間「ティアーズよ・・・!俺に再び力を貸してくれ・・・!!
今度は、前のような無様な戦い方はしねェ・・・!今度こそ、
生き抜きながら、魔獣を倒してやるぜ!!!」
そして、ペンダントを輝かせ、天に掲げる。
灰間「ティアーズ!!!!!!」
灰間はウルトラマンティアーズに巨大変身した。そして、
すぐにティアーズは空を飛び、魔獣ドールックの元へ向かった。
日下部「・・・・っ!?あれは・・・!!」
日下部は空を飛ぶティアーズの姿を見る。
日下部「ティアーズ・・・。やはり、生きていたのね・・・・!」
秋田町を目指しながら、4つの腕で次々とビルを壊し続けるドールック。
ドールック「ギュイイイィィィンギュイイイイィィィィンギュイイイイイィィィィィン」
戦車部隊や装甲車部隊、
戦闘機部隊や戦闘ヘリ部隊が攻撃を続けるが、
ドールックは青いガスで、その4つの部隊の多くを破壊する。
ドールック『ぐはははははは・・・・!!!無駄だ!!無駄だァ!!!
貴様たちなど私の敵ではないのだ!!貴様らの防衛など、
私から見れば、
ただの紙切れでできた壁に過ぎないのだァ!!!・・・むっ!?』
その時、ドールックは空から飛んでくる何者かを見て、驚く。
その何者かとは、ウルトラマンティアーズの事であった。
ドールック『ウ、ウルトラマンティアーズ!!!?』
つづく
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