前回は影に隠れていて姿が全く見えなかったが、
今回ははっきりと見えるようになる。色が水色が中心なカラフルで、
腕が4本、足も4本ある。胴体の獣のような顔があり、
頭部が刃物に近いくらいに鋭い。姿が四足系タイプに似ているらしい。
全ての手がハサミに近い形である。この異形の魔獣が、
前回のギアクーダを送り込み、
ティアーズを倒した大魔獣、ドールックである。
ドールック『私の名前はドールック。君たちの勇者、
ウルトラマンティアーズはもはやどこにもいないのだ。
前にも言ったハズだ。
ティアーズは光となって消滅したと。いくら探しても無駄なのだ!』
日下部「今はティアーズの事ではないわ!!私たちは、
仲間である灰間翔を探しているのよ!?」
ドールック『灰間翔か・・・。クククク・・・!!そのガキは死んだよ。』
ドールックの発言に、驚愕する隊員たち。
日下部「し、死んだ・・・・・!!?」
ドールック『恐らく、我が部下の襲撃にでも受けて死んだだろうな。
やり過ぎていたのか、遺体すら残らない程に散りをなったそうだ。』
上川「そんな事はない!!灰間君はミラクルマンだ!!」
叶野「奴が貴様の部下のような雑魚の攻撃で死ぬハズがない!!」
ドールック『では、聞こう。ティアーズが死んだ日から、
灰間の遺体を探して、見つかったか?多くの場所を探していたか?」
日下部「草の根を分けても探してみた。
でも、あいつの姿がどこにも・・・・!!」
日下部は悔しそうに言う。そしてすぐに、強気でこう言う。
日下部「でも、私は信じるわ!!灰間は必ず生きていると!!そして、
どこかで眠っていると・・・・!
あんたの言う事なんか一切も信じないから!!」
ドールック『信じなくとも良い。こちらとて、
灰間など、どうでも良いからな。』
日下部「何ですって・・・・!!?」
ドールック『ウルトラマンティアーズはもはや永遠に存在しない!!
奴がいない事で、我ら魔族はこの地球を侵略できたも同然なのだ!!!』
大神「ティアーズがいなくても、
地球には我らBARがいる!!BARだけやない!!
この星を守る正義の防衛隊がぎょうさんにおる!!
我々防衛軍がおる限り、
貴様のような外道にこの地球を侵略する事はできんのじゃぃ!!!」
ドールック『笑止!!お前たち人間の科学で、この俺を止める事など、
絶対にできない。
俺は今まで貴様らが戦った魔獣より数倍は強いつもりだ。
地球人よ!覚悟するが良い!!これから私はこの地球の日本で、
大暴れする!!まずは東京から。
そこから日本人を一人残らず、殺し尽くしてくれよう!!!
だがもし、貴様たちが自ら降参するのであれば、奴隷として、
その全ての命を助けてやろう。
ぐははははははははははははは!!!!!!』
ドールックが笑うと同時に、その姿を映している映像が消えてしまった。
上川「くそっ!!魔獣め・・・・!!」
叶野「隊長!!何か対策を・・・!市民たちを助けなければ・・・・!!」
大神「ああ。魔獣はすぐに現れる確率がある。さっそく、
東京市民に避難命令を出そう!!
叶野と上川はバルワンダーDXで迎撃準備せんかぃ!!
日下部は灰間の捜索を続けろ!!彼を頼んだど・・・・!」
日下部「はい・・・!」 叶野と上川「了解!!!」
次の日。まだ雨が降り続けている。
秋田町で一人、野口が傘をさして歩いていた。
野口「・・・・今日も灰間君がいない。灰間君。一体、
どこに行っちゃったのかな・・・。あと、数日で・・・。あら?」
その時、野口は右の方に何かに気づく。その何かを見た野口は驚く。
野口「・・・・っ!!?は、灰間君!?」
野口が見たのは、ボロボロな姿で眠っている灰間であった。
野口は無意識に傘を捨てて、灰間に近づき、声をかける。
野口「灰間君!!灰間君!!目を覚まして・・・!!こんなところで、
寝ちゃうと、風邪ひいちゃうよ!!?」
野口は灰間の身体を擦るが、灰間はまだ起きない。
野口「・・・っ!?よく見れば、傷だらけになってる・・・。
そうだ!私の家で手当てをしなきゃ・・・・っ!!」
野口は灰間を抱えて、野口の家へ向かった。その様子を遠くから、
あのピンク髪の少女がいた。少女は切なく呟く。
少女「私の回復魔法では完治に至らなかった・・・。
あとは、あの人間の少女に任せる必要があるわね。」
野口邸の2階。野口の部屋で、灰間がベッドで眠っていた。
身体中を包帯に巻かれながらも。部屋にいるのは、
野口ただ一人である。
野口「これで、良いかな・・・・。この前に習った治療の仕方が、
こんな時に役立つなんて思わなかったわ。でも、思い出すな。
昔、よく喧嘩して傷だらけになった灰間君に手当てしたっけ。」
野口は微笑んで呟くが、少しだけ切ない表情となる。
野口「灰間君・・・・。一体、何があったの?こんな酷い傷を受けて・・・。
まるで誰かに物凄く痛めつけられたみたい。でも、大丈夫だよね。
灰間君。ミラクルマンだもんね・・・。だから・・・・。」
野口は灰間の手を両手で優しく触れる。だが、
灰間はまだ目覚めない。今でも意識がないのだ。灰間が目覚める時は、
まだ先の話なのだ。ペンダントも一切の輝きがない。
野口「この事を灰間君のお母さんには黙っておくべきかな?今、
知らせたら、何か余計な何かが起こっちゃう気がするわね。
完治したら、知らせよっか・・・。」
日下部はバルターボで秋田町を走り続ける。灰間を探すために。
日下部「あの夜。灰間は秋田町にいたハズ・・・!
それが何なのよ!?
突然、この町から消えるなんてありえない!この町から消えるなんて、
ありえない・・・・っ!必ず見つけてやるわ!!あいつを・・・!
必ず見つけて、いっぱい文句を言ってやるんだから・・・・!!」
日下部は涙を流そうとしながら、灰間を探し続けている。だが、
日下部は知らない。灰間が既に野口に保護されている事を。
一方、東京の街では、
多くの人々が自衛隊の避難命令を受けて、逃げ惑っていた。
この東京に魔獣が現れる。BARはそれを自衛隊に知らせて、
人々に避難をさせているのだ。
上空では、上川と叶野が乗っているバルワンダーDXが飛んでいる。
つづく
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