灰間「・・・っ?悪いけど、今日はここで。俺の分まで頼むわ。」
灰間は日下部から離れる。福崎のところへ近づくつもりだ。
日下部「あっ!ちょ、ちょっと・・・!?っ!?」
その時、日下部は灰間が福崎に近づき、
彼と一緒に歩いて行くところに気づく。
日下部(あの福崎と一緒に・・・?一体、どうして・・・?まさか!)
そして、日下部は福崎の方に近づき、こう叫ぶ。
日下部「福崎!!!」 福崎「あぁ?」
福崎は日下部の方に気づく。そして、灰間も。
灰間「っ?日下部・・・!?」
日下部「あんた・・・。灰間とどうやって知り合ったの?」
福崎「こいつは、いじめっこ共から俺を守ってくれた。
そうして、俺はこいつと友達になった。悪いか?」
灰間「そう言う事だ。俺は毎日、
こいつを外敵から守らなければならない。」
日下部「守らなければならないって・・・。まさか、
こんな捻くれ者を守るために、BARをサボるって言うの!?」
灰間「そうしなきゃなんねェからな・・・。」
日下部「・・・・福崎。あんた。灰間に何をしたの!?」
福崎「黙れ。それを聞いて、どうするんだよ?俺を逮捕する気か?
それとも、あいつらと同じように迫害する気か?
いつまでも偽善者ぶってんじゃねーよ。この勝ち組の雌豚が。
おら。灰間。こんな女なんかほっとけ。」
灰間「・・・・・・ああ。(すまねェ。日下部。)」
灰間と福崎はどこかへ去って行った。
日下部「灰間・・・。きっと、福崎の奴に何かされたんだわ・・・!」
大岩「全くその通りじゃのォ!」
その時、近くに大岩が喋り出す。日下部はそれに驚く。
日下部「きゃっ!?お、大岩・・・!?」
大岩「灰間のガキ。あんな外道にこき使われよってからに・・・!」
日下部「そうね・・・!灰間を助けるために、あいつを何とかしなきゃ。」
大岩「おう。じゃが、あいつは何もできない一人ぼっちじゃけ。だが、
いつまでも悪さをさせるワケにはいかんき。
ならば、ぶん殴ってでも・・・!」
謎の声「あの子を責めないでください・・・。」
日下部と大岩「え・・・・?」 日下部と大岩は後ろの方を向く。
そこに、ピンク色で髪が少し長そうな少女であった。
夕日。秋田町で、福崎をいじめようとする男たちが灰間に倒されていた。
いじめっ子A「ま、まさか!灰間が福崎の味方をするなんて・・・!」
福崎「おい。いじめられっ子が怒るとどうか、思い知ったか?カス。」
いじめっ子B「ご、ごめん!!今までは悪かった・・・!」
福崎「ごめんじゃねーし。死ね。バーカ!」
福崎は倒れているいじめっ子Bを蹴り、踏みつける。
いじめっ子B「うっ!?ぐあぁ・・・!」
福崎「これから、お前らを俺がいじめて支配してやるよ・・・・!!」
福崎はいじめっ子Bに近づいて、醜い形相でそう言う。
灰間「福崎。早く俺の家に入らねーと、大変な事になるぞ。」
福崎「そうだったな・・・。けっ!」
福崎は石をいじめっ子Aに投げつける。
灰間と福崎は一緒に、灰間の家へと向かっていた。
その時、二人の背後に、あの紫色のペンダントを持つ男がいた。
そのペンダントが光り、男は笑う。福崎の方を見て。
ペンダントを持つ者「見つけたぞ・・・!」
BAR基地の司令室では、日下部は考えていた。
日下部(さっきの謎の声・・・。一体、何だったのかしら?
福崎を責めないでと言って、いきなり消えるなんて・・・。)
緒川「あの魔族の集団、ギアクーダの詳細についてですが、
体内に電磁エネルギーが含まれている事がわかりました。」
叶野「・・・そう言えば、襲撃された防衛軍の施設には、
ほとんど電磁エネルギーを発電する場所や、
それを保管する場所もあったな。」
上川「そうか!奴らは、自身の敵である防衛軍の拠点を制圧しながら、
電磁エネルギーを食事していると言うワケか!日赤自重だな・・・!」
叶野「それを言うなら、一石二鳥だろ・・・。」
そこに、大神が来て、隊員たちが礼儀正しく立つ。
大神「先ほど、二ヶ所の防衛軍の施設が襲撃されたそうだ。
一つの施設に保管してあった電磁エネルギーが、
全て魔族に吸収されたらしいけ。」
日下部「また、魔族の奴らが活動するのですね・・・!」
大神「うむ・・・!今日は灰間がいないが、どうしたんじゃ!?」
日下部「・・・・灰間は、来ません。残念ですが。」
大神「そうかぃ。じゃが、奴はBARに来なくても、立派に戦えるじゃろ!
わしらはわしらで戦うんじゃ!良えの!?」
日下部(・・・・灰間。何で福崎なんかと・・・・!)
とある闇の空間では、大勢のギアクーダがいた。
ギアクーダA『今日で全員が電磁エネルギーを蓄えたな?よろしい。
これより、我々は灰間翔、ウルトラマンティアーズの抹殺を開始する!』
ギアクーダB『しかし、BARに邪魔されては迷惑だ。
少数で防衛軍の施設に襲撃し、奴らを誘き出そう。』
秋田町では、大勢のギアクーダが密かに動いていた。
灰間の家。自分の部屋で、灰間はずっと福崎の近くにいた。
福崎はパソコンでネットを楽しみ続けていた。
福崎「この町に魔族共が暴れたとしても、俺だけが安心。
まさに、俺だけが得するもんだ・・・。」
灰間「・・・・福崎。お前が辛い過去で荒んでいる事はわかる。
友達も良い思い出も良心もないって事がわかる。
けど、お前も人間だ・・・。」
福崎「は?何が言いたいんだよ?お前。」
灰間「お前は悪い事をしたいのか?
それとも、良い事がしたかったのか?」
その時、福崎は本を灰間に投げつけた。
福崎「くだらねー事、聞いてんじゃねーよ。ボケが。
何でそんな事聞くの?ねぇ。正体、バラすよ。」
灰間「・・・悪い。」
福崎「悪いじゃねーし。謝らねーで、俺様にこき使われてろや。
何せ、お前は俺だけの味方だからな・・・!」
そして、灰間のペンダントが光り始める。
灰間「・・・来るな。奴らが。」
福崎「ククク。いつでも来いよ。ウルトラマンティアーズが、
俺を守ってくれるからよ。いつまでもなァ・・・。」
灰間は窓辺の方から外を覗く。
灰間の家に近くでは、既に多くのギアクーダが集まっていた。
そして、その多くのギアクーダが一斉に走り、灰間の家に入ろうとする。
灰間「何っ!!?ほ、本気か!?」
灰間は多くの魔族が自分の家に入ってくる事に驚く。
美由紀の声「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
灰間「っ!?母さん!!!」
灰間は美由紀の危機を感じ、思わず1階へ降りようと走る。
福崎「っ!!灰間!!!!」
1階の廊下では、美由紀が多くのギアクーダに襲われかかる。
ギアクーダ「シュオオオオオォォォォォ」
美由紀「ひっ!ひいいぃぃぃ・・・!!」
灰間「母さん!!おらああぁぁぁ!!」
灰間は一人のギアクーダを殴り、美由紀を守る。
ギアクーダ「シュオオオオオオォォォォォォォ」
灰間「大丈夫か!?母さん!!」
美由紀「しょ、翔・・・・。」
ギアクーダ「シュオオオオオォォォォォ」
複数のギアクーダが灰間を襲う。
灰間の打撃を受けたギアクーダもまだ生きている。
灰間「はああぁぁぁ!!とう!!でやっ!!」
灰間はキックやパンチなどの格闘でギアクーダたちを攻撃する。
ギアクーダ「シュオオオオオォォォォォォォ」
しかし、ギアクーダも負けず、二人で灰間をパンチやキックで打撃する。
灰間「ぐっ!?おあああぁぁぁ・・・・!!」 美由紀「翔!!?」
福崎の声「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
その時、福崎の悲鳴が大きく響く。
美由紀「っ!?上から悲鳴が・・・!?まさか、誰かいるの!?」
灰間「ま、まさか・・・・!?」
そして、階段から物凄い形相で喚きながら逃げる福崎と、
そんな彼を追う複数のギアクーダが走っていた。
灰間「福崎!!?」
つづく
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