灰間はそう言って、少年を追おうと走り出す。
野口「は、灰間君・・・・!?」
徳丸「しばらく、灰間君に任せてみよう・・・。」
森下「そうね・・・。あら?」
森下はある展示品の一つに目をつける。
徳丸「どうしたの?森下さん。」
野口「あら?何かしら。あのペンダント・・・。」
3人が見たのは、
ウルティメイトペンダントと全く同じ形のペンダントであった。
だが、そのペンダントの色は全く違い、紫色であった。
ここは、博物館の別の部屋で、恐竜の化石のような物が、
複数ある。だが、それだけではなく、
異形な形をしている怪物の化石も多くあった。化石だけではない。
異形な怪獣たちのハクサイも多くあった。
灰間は少年を探すために、ここに来たのだ。
灰間「怪獣の化石を展示する場所か・・・。むっ!?」
その時、灰間は少年の姿を見つける。
灰間「おいっ!!!」 少年「ひっ!!?」
少年は驚き、灰間の方を向く。その時。
少年「ひひ・・・っ!!やっぱり、怒って追いかけたんだね。
流石はミラクルマン・・・。君は色々できるんだね・・・。」
灰間「何故、俺たちに八つ当たりした?」
少年「いじめられた痛みをお前らにぶつけるためだよ。
灰間翔・・・・。いや、ウルトラマンティアーズ!!」
灰間「な、何だと・・・・!!?」
灰間は少年が自身の正体を知っている事に驚く。
少年「お前はその正体を隠しているが、もうそうはいかないよ。
俺は見たんだよ。お前が光の巨人に変身しているところを・・・!
そのペンダントが何よりの証拠のハズだ!!」
灰間「何故、知った・・・・!?(こいつ、魔族か!?
いや、学園内に魔族反応はなかったハズだ・・・!!)」
その時、灰間のペンダントが光り出す。
灰間「何!?この少年・・・魔族じゃないだと!?」
少年「あぁ?俺は普通の人間なんだぞ?
あんな物の怪なんかと一緒にすんな。ボケ!」
じゃあ、教えてやるよ。俺がいつ、
お前がティアーズに変身しているところを見たと!!」
それは、オニダークの回で灰間が、
ティアーズに変身しようとしている頃であった。
その灰間が変身しようとしているところを、少年が壁に隠れながら、
密かに見ていたのだ。灰間がティアーズになった時、
少年は驚いたのだ。
そう。少年は灰間翔がティアーズである事を突き止めたのだ。
少年「そうさ。俺は確かに、お前がウルトラマンになる瞬間を見た。
おい。何とか言えや。嘘ついても良いんだぜ?ん?」
灰間「・・・・・そうだよ。俺がウルトラマンティアーズだ。文句あるか。」
灰間は切なそうに自身の正体を明かすと、
少年はふざけるように笑い出す。
少年「ひゃはははははははははは!!!自分から言ってやんのォ!!」
灰間「だから、どうした?俺の正体を知って、何をするつもりだ?」
少年「クククク・・・・!じゃあ、寄越せよ。そのペンダントを。
今日から俺がティアーズとなって、平和を守ってやるよ。俺中心をね。」
灰間は静かにペンダントを少年に渡す。
少年「おお・・・・っ!これがティアーズに変身するためのペンダント・・・!
確か、こう叫んで変身するんだよなァ・・・。ティアーズ!!!」
少年はペンダントを掲げ、叫ぶ。だが、
何も起きない。少年はティアーズになっていない。
少年「何ィ・・・!?ティアーズ!!ティアーズ!!!!」
灰間「無駄だよ。ペンダントはお前をティアーズにしたくねーらしい。
それに、お前。ペンダントの声が聞こえるか?」
少年「は?ペンダントが喋るワケないじゃん?」
灰間「その声が聞こえねーなら、ティアーズに変身できないんだぜ。」
少年「ちっ!!この役立たずが・・・・!!」
少年は怒って、ペンダントを床に落とす。
少年「はぁ・・・。やっぱり、このアンチミラクルマンには、
何もくれないってか。」
灰間「アンチミラクルマンだと?」
少年「おぉ。そうよ。俺はな、お前とは正反対なんだよ・・・!
お前は何でも得意で、皆に好かれてばっかり・・・。でもな、
俺は何もできず、皆に嫌われてばっかりなんだよ・・・・!!
だから、俺はてめェが憎い。俺はお前に復讐する事を考えていた。
おい。ティアーズ。これからは、俺の奴隷になれや。」
灰間「奴隷だと・・・・!?」 灰間は少年の言葉に驚く。
少年「そうさ。俺はティアーズになれず、強い力を持つ事ができなかった。
けどな、お前そのものを俺の強さにすれば、何も恐れる事はねェ。
お前は正義のヒーローなんだろ?
俺のような弱者を守って当然のハズだ。」
灰間「悪いな。お前も守っているつもりだが、
お前の奴隷にはなれねーよ。」
少年「はぁ?良いのかよ?そんな事をしても。お前が俺の要求を、
拒絶すんなら、俺。お前の正体を世間にバラしちゃうぞ?」
灰間「何だと!!?俺がティアーズである事を皆に・・・!?」
少年「そうだよ・・・。そうすれば、町の人々はお前から離れ、
科学者共にモルモットにされるだろうよ・・・。そして、
地球防衛の奴隷になるかも知れん。さァ!俺の奴隷になれ!!
その方が助かる!
俺の名は福崎丈(ふくざき・じょう)!お前の主の名だ・・・!」
灰間「福崎か・・・。わかったよ。お前の奴隷になってやるよ・・・!」
少年「はははははは!!それで良い!!それで良いよ!!
ティアーズ!!お前は俺のボディガード!!召使いとなるんだァ!!!
もう俺を迫害するものは何一つなくなる!!
俺は幸せになれるんだァ!!」
灰間(何が幸せだよ・・・!この卑怯者め!俺の正体に気づき、
それで俺を脅そうなんてよ・・・。だが、今
はこいつに従った方が良いだろ。
奴は魔族じゃねェが、とても危険な匂いがする。だろ?ペンダントよ。)
ペンダントが光る。どうやら、灰間と同じ気持ちであった。
福崎の奴隷となる灰間だが、本心では望んでいなかったのだ。
福崎「さァ!!ウルトラマンティアーズよ・・・!!最初の使命だ。
さっき俺をいじめた奴をその力でぶっ殺すんだ!!本当に、
ぶち殺すんだぞ?この世から存在を抹消するんだよォ!!」
灰間「く・・・・っ!!(こいつ・・・!俺に人殺しをさせる気か!?
それ程にあいつらが憎かったのか・・・。だが、できねェ。
簡単に人を殺すなんてよ・・・!!
だが、やるしかねェのか・・・・!?)わかった。」
福崎「そうだ!!お前は俺の力!!その力で、俺は・・・!!」
その時、ある怪獣の石像が赤く光り始めた。
福崎「っ!?な、何だ・・・!?今、石像が光ったぞ!?」
灰間「こ、この石像は・・・・!!?」
灰間は石像の方を見て、驚く。その石像の怪獣は、
ゲルカドンと全く同じ形をしていた。
灰間「あの魔獣・・・!古代の時代を支配したと言う事は、
本当の事だったのか・・・!造形もとても古いから、
その時代で造られた気がするぜ・・・・!!」
その時、ペンダントが光り出す。
灰間「何っ!?この石像・・・!実は魔獣そのものだって!?」
福崎「おい・・・!何を言ってるんだよ!?石像が魔獣だなんて・・・!」
その時、ゲルカドンの石像が赤く光り始めた。それも大きく。
福崎「ひ、ひぃ・・・・っ!?」
福崎はこれに驚き、逃げようとする。
灰間「ま、魔獣が出現する・・・・!!」 灰間はそう言って、逃げ出す。
福崎「ま、待って!!!」 福崎も逃げる。
そして、部屋中が赤い光に満ちて、ゲ
ルカドンの石像に大きなヒビができる。
野口たちがいる部屋が急に揺れ始める。
森下「きゃあっ!?」 徳丸「わあっ!?」
野口「な、何なの!?この地震は・・・・!!」
その時、灰間と福崎が走ってくる。
灰間「大変だ!!この博物館から魔獣が出現する!!
急いで逃げるんだ!!」
森下と徳丸「何だってェ!!?」
野口「わかったわ!!先生や他の皆に伝えてくる!!」
そして、ゲルカドンの石像が爆発し、本物のゲルカドンが現れる。
それと同時に、体が急激に巨大化していく。
博物館にヒビが入り、その博物館が崩れて行く。そこから、
大魔獣のゲルカドンが現れ始める。
ゲルカドン「グルルルルルルルルルヂイイイイイィィィィィン」
灰間たち学園の生徒たちや他の人間たちは、
いち早く博物館から出たため、全員無事らしい。
灰間「ま、まさか・・・!魔獣の野郎。博物館に潜んでやがったとは・・・!」
福崎「こ、怖いよおおぉぉぉ・・・・!!」
福崎は恐怖のあまりに逃げ始めた。
灰間「ふ、福崎!?」
ゲルカドン「グルルルルルヂイイイイイイィィィィィィン」
ゲルカドンは空を飛び、空中を移動する。そして、
近くにビルに襲撃し始める。最初は頭突きで攻撃する。
崩れ始めたところに、ゲルカドンは噛み付きでさらに壊し続ける。
つづく
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